ベンツスプリンターの自作キャンピングカー:トイレについて考えてみる
キャンピングカーならトイレやシャワーついてるの当たり前でしょって大抵の人は思うでしょう。でもトイレもシャワーも本当にキャンピングカーに必要なのでしょうか?ベンツスプリンターのカーゴバンから自作でキャンピングカーに仕上げる過程で直面したトイレ問題について考えてみたいと思います。
一番小さいベンツスプリンターバンでトイレ確保は至難の業
うちのスプリンターはバンの前から後ろまでの長さが一番小さい144モデル。このモデルの最大の利点は普通の屋外駐車スペースに停められる長さであること。アメリカによくある路上のパーキングメーターにも入ります。なんといっても普通の乗用車よりちょっと長いだけ。これはもうフットワークが思いきり軽くなるというキャンピングカーではなかなか達成できない利点なのです。
欠点は車内のスペースが限られること。キャンピングカーに必須のベットとキッチンを入れてしまうと、
ト、トイレを入れる場所がない!シャワーにいたってはもう絶対的に無理!
という結果になってしまいます。
↓コンパクトなので普通の乗用車のように駐車できます。
トイレ設置のチャレンジはスペースだけではない
アメリカの巨大キャンピングカーだとトイレとシャワーどころかバスタブがついているような動くアパートメントみたいなタイプもあります。もちろんトイレもシャワーも車内についてたら便利ですよね。でも自作キャンピングカーともなると設置へのチャレンジはスペースだけではなく、使用後の汚水タンクやトイレやシャワーからタンクへ汚水を送るパイプの設置など関連作業が山積みなのです。
長い間ヨットで生活していて痛感するのは船内トイレは常に頭痛の種であるということ。パイプが壊れて汚水が漏れたり、トイレのポンプが故障したりととにかくトラブルが起こるのです。そして定期的に汚水タンクをカラにしなければならないという作業もついて回ります。
これをヨットよりさらに狭いスプリンターバンで実装するとなると、頭痛の種どころか悪夢になる可能性が大有りなのです。
そしてシャワー。汚水の問題はトイレほど大きくないにせよ、シャワーを設置するとなるとそれなりのサイズの水タンクが必要になります。
キャンピングカーはたまに移動する家であるという使い方
キャンピングカーだったらトイレやシャワーがついているのは当たり前というのが一般的な考え方ですよね。キャンピングカーで宿泊するのはRVパークかキャンプ場になり、たいていは宿泊する場所にトイレもシャワーの施設も用意されているんです。なので車内にトイレやシャワーがなくても実際には不便はあまりないのです。
でもRVパークには長期で滞在する人たちにとって車内のトイレとシャワーは必須。なぜかというと、キャンピングカーは”家”としてRVパークに固定されるからです。汚水処理用のパイプをつなげて使用した汚水はタンクからRVパークの処理場に直接流し、ホースをつなげて常に給水されるようにセット。電気もRVパークのアウトレットから供給されます。ホースやケーブルを接続したキャンピングカーは家として使われてどこかに移動することはありません。滞在中の移動用には乗用車を使うので、キャンピングカーに乗用車をけん引しているケースもよくあります。
リタイアした夫婦で居住地にある寒い冬を避けて暖かいところに移動して何か月かキャンピングカー生活するパターンが一般的です。
↓このキャンピングカーはタイヤカバーまでつけて長期滞在まんまん!この手のキャンピングカーはピックアップトラックで牽引されて移動します。RVパークでキャンピングカーを切り離してパイプやケーブルをつないで固定。滞在先ではピックアップトラックで移動します。
移動型の旅なら車内にトイレがなくても困らない
私たちの旅は移動型。同じRVパークで最大でも連泊するのは2泊くらいで汚水や給水のホースを毎回設置するなんてことはありません。車内の電力はすべてソーラーパネルと移動中のエンジンから供給されるのでRVパークの電源につなげる必要もないのです。汚水タンクが満杯になったり給水タンクがカラになった時だけRVパークの施設を使いますが、それもたまに使うだけ。またトイレもシャワーもRVパークかキャンプ場のを使っているので車内にトイレとシャワーがなくても不便はないのです。
キャンピングカーで移動中は必要な時にレストエリアやガソリンスタンドでトイレを使うわけで、ここでもほぼ車内トイレは必要ないなというとこになります。
で、これまでトイレとシャワーなしのキャンピングカーで旅行し続けて出た結論は、
あったらいいけど無理してまでつける事ない
ということでした。
いざというときのために簡易トイレを設置
それでもたまにトイレが必要なこともあるのです。例えばキャンプ場やRVパークではないところで宿泊する場合です。アメリカでは基本的に路上で宿泊することは禁止されているのですが、ものすごく人里離れた山の中とかで運転に疲れ果ててやむを得ず路上泊をすることがこれまで何度かありました。こういうときにはトイレがないと困るのです。シャワーは1日とばしても大丈夫だけどトイレは1日飛ばせない(笑)
で念のために簡易トイレを設置することにしました。
こちらです↓
見た目はアレですけどこれ優れもの。バケツの中に使い捨てのトイレパックを入れて使用したら封印して生ごみとして処理。欠点はトイレパックが3ドルくらいするので、1回のトイレ使用料がお高くなります。なので使うときは緊急ケースのみ。
↓実際にはベットを支えるステンレススチールの足にバンジーコードで固定して、使うときだけ引っ張り出します。
バケツをそのまま収納するのもあんまりなので、現在このバケツトイレを収納するためのキャビネットをデザイン中です。キャビネットはカウチの代用にもなるように設計する予定でスライディングドアのところに設置します。出来上がりましたらご報告させていただきます。
シャワーは外で浴びるスタイルに
私たちのキャンプ旅行の大きな目的のひとつはウインドサーフィン。RVパークやキャンプ場でシャワーを浴びることはできるけれど、ウインドサーフィンのセッションが終わった後にさっとシャワーを浴びたいもの。これまではプラスティックのバックの中に水を詰めて太陽光で温めるサンシャワーなどで代用してきましたが、今後は外付けのシャワーの設置を考えています。これができるようになると水遊びしてドロドロになったワンコたちもシャワーでリンスすることができて一挙両得。
一番大きな課題はどうやって温水を供給するかということで、いろいろなタイプを研究中です。一番可能性があるのはバンの屋根に設置してあるソーラーパネルの横に水タンクを設置して太陽光で温水を作るしくみで、部品などを集めながら今年の夏(2021年)をめどに完成を目指しています。
まとめ
キャンピングカーの自作を計画されている方でトイレとシャワーの問題にぶち当たっているならば、いまいちど本当にトイレとシャワーは車内に必要なのか見直されることをお勧めします。トイレとシャワーを使うということは真水の給水と汚水の処理のための施設と作業がくっついてきます。長期滞在ではなくキャンピングカーであちこち移動するならば本格的なトイレやシャワーは車内に必要ないなと思うのです。もちろん緊急用に簡易トイレを設置することはおススメします。
Comment
Mikaさん、初めまして!YuriさんとのPodcastを聞いてすごくすごくMikaさんの考え方や、行動に共感してしまい、いてもたってもいられずブログにコメントしてしまいました。現在米国のコンサルティングファームの日本法人で働いているシングルの女です。両親とともに日本に住んでいるのですが、前職でNYに1年半ほどいたことがあり、私もいつかまたアメリカに住むぞ!と思っています。また一人でふらっとアウトドアに遊びに行けるアメリカの拠点というMikaさんのコンセプトが、まさに自分自身が求めていたものだ!という感じでした。うれしくて、covitがおさまったら必ずMikaさんのアウトドアハウスに遊びに行きたいです。Mikaさんご自身のお話もたくさんお聞きしたいです。今後もブログをチェックしていきますので、遊びに行けるようになるその日を夢見ております。
Ayakoさん
コメントありがとうございます。Ayakoさんのような方が行ってみたいなあと思ってもらえる場所にしたいと計画していたので、共感していただけてとてもうれしいです!COVIDが収まったらぜひ遊びにいらしてください。楽しみにしています。
ブログは週末に更新を目指していますので、時々遊びに来てくださいね。
Mika