ベンツスプリンターの自作キャンピングカー:収納キャビネット
現在我が家ではメルセデスベンツのスプリンターをキャンピングカーに改造するプロジェクトが進行中。
2015年の秋から本格的に始めたキャンピングカー改造プロジェクトの進捗状況をテーマごとにレポートしています。
今回は収納キャビネットについて説明していきますが、キャビネットは自作ではなくプロと一緒に作る半外注となりました。
なのでキャビネットを一から全て自作されたい方にはあまりお役に立たない内容かもしれませんことをご了承ください。
参考までに、スプリンターの紹介はこちらをご覧ください。
自作キャンピングカーの完成予想図とこれまでの進捗状況はこちらでまとめています。
これまでの作業工程については各テーマごとにレポートしていますので、ぜひご参照ください。
作業はものすごくゆっくり進んでおりますが、進みしだい更新していく予定です。
キャビネットを外注することにした理由
自作キャンピングカーなのになぜキャビネットは自作しなかったのか説明します。
キャビネットにはお金をかけるべき
最大の理由は、うちのダンナが本格的な家具をつくるスキルを持っていなかったことです。とはいっても大工ですから、ある程度のものは作れたと思います。
ですが、外注に踏み切ったのは、キャビネットにはお金をかけてよいものを作りたいと考えたからなんです。
キャビネットは車内にに入ったときに特に目に付きやすいところです。なのでキャビネットの質が車内のクオリティに大きく影響します。
これまでいろいろなスプリンターキャンピングカーの内装を見てきましたが、キャビネットのデザインや素材がいまいちなだと室内の雰囲気が一気に安っぽくなってしまいます。
そのためスプリンターの自作キャンピングカー計画の初めから、キャビネットの製作についてはアマチュアまるだしのちゃっちいものにしないで、プロに外注してよいものを作ろうということに決めていました。
中古車市場で価値が落ちない設計
もちろん思いっきりDIYのスプリンターも味があってよいのですが、うちは将来的に転売することも視野に入れているので、見た目は大切。
室内のデザインにお金をかければその分転売するときに戻ってきます。
アメリカの中古車市場では驚くほど価値の落ちない車種があります。
ハイリーセールバリューカー(high resell value car)といって転売価値の高い車があり、日本車の多くはこのカテゴリーに入ります。
また、メルセデスベンツも同様で転売価値が高く、特にスプリンターのキャンピングカーは供給が極端に少ないこともあって中古でも高く売れるのです。
うちのスプリンターは少なくとも向こう10年は自分たちで使うように計画していますが、何年かたって買い換えたいと思うかもしれません。
そのためにも中古車として価値が下がらないということも、我が家の自作キャンピングカー計画の上での大切な要素なのです。
家具職人とバーターで契約
外注することに決めたはいいけれど、外注先を探がしはかなり難航しました。予想以上に費用がかかることに大変驚きました。
また普通の家具職人さんでも、車につける家具となるとなかなか乗り気になってもらえなかったというのも大きな問題でした。
よい外注先がみつからずに困っていたところ、大工さんで家具も作ってくれる人を近所で発見。灯台下暗しです。
その上、彼の家のリフォームをダンナが手伝うかわりにキャビネットを作ってくれるということで、現金としての費用もかからないことになりました。
これはアメリカでよくある、バーターというしくみで、自分のもっている技術と相手先がもっている技術を交換するというもの。金銭のやりとりは発生しませんが、お互いの目的を達成することができます。
だんなの持っている大工の技術が思いがけず役立ってしまいました。
外注先が無事に決まり、さっそくダンナと二人でキャビネットのデザインと設計の作業に入りました。
キャビネットのデザインと設計
収納用キャビネットをつける場所
狭い車内ですので全ての隙間を無駄なく使って収納場所をつくるのは必須条件でした。
キャビネットをつける場所については、だんなと二人で議論を繰り返しました。
完成予想図を描いたり、ダンボールでダミーをつくったりして試行錯誤をの結果、両側の天井部分に飛行機の収納スペースのようなキャビネットをずらりと並べるということで落着きました。
キャビネットのデザイン
シンプルで上品なデザインというのが基本方針でした。
木の素材を生かして余計な飾りはつけないこと。ドアのとっても付けない設計にしました。
キャビネットを備え付ける車内の天井部分は流線型になっているので、真四角なサイズではおさまりません。
下記のように下の部分の奥行きが深く、上は浅い台形のデザインになりました。↓
キャビネットのサイズ
キャビネットの半分はベットの上に位置することになります。
なのでベットから起き上がったときにキャビネットに頭をぶつけないように、かつあまり小さすぎないようにするためのサイズを決めるのが大変でした。
これもまたダンボールの試作品を天井からぶら下げて、実際にベットに寝て起き上がったときに邪魔にならない高さと奥行きを探しました。ダンボールのダミーがなければちょうどよいサイズを見つけることができなかったと思います。
最終的には横幅53センチ、高さ23センチ、底の奥行き17センチのサイズで、運転席側に6つ、助手席側に5つをつけることで落着きました。
キャビネットの製作工程
ダンナも一緒に現場で作業に参加
外注することになったものの、家具作りに興味津々のダンナ。大工の血が騒いでしまったようでした。
家具職人の指導のもとでうちのダンナもキャビネットの製作を手伝うことになりました。
ダンナが作業に参加するのは結果的に大成功でした。
ダンボールのシュミレーションで設計してみたものの、実際の作業工程では試作品をスプリンターに実装してサイズを確認したり、その結果仕様を変えなければならない、いったことが多々あったからです。
これは外注で丸投げしていたら大変なことになっていたなと思いました。
作業の手順
製作の工程は:
- 材木を注文。素材はオレンジっぽい色を出すためにさくらんぼに決定。
- 材木を加工する。やすりにかけてニスを塗って乾かして、またやすりにかけての繰り返しを何度もへてぴかぴかの木目調をだす。
- キャビネットのサイズにあわせて材木を切り出す。
- ドア以外の箱を組み立てる。
- ドアのちょうつがいとマグネットを実装する。
- ドア開けたときに手で支えなくてもドアが下に落ちてこないようにするために、ばねの利いたハンドルをつける。
- キャビネットの下につけるダウンライトのための囲いを底に装着する。
となり、現時点でダウンライトの配線をのぞいて全工程が終了しました。
底の奥行きが深く上の奥行きが浅い台形型がすっぽりと車内に収まりました。底の部分にはダウンライトが入る予定で、配線用の囲いがくっついています。↓
キャビネットの右手にみえているハンドルがドアを支えてくれるので、ドアを開けても落ちてきません。
このハンドルを探すのと実装するときの調整が大変でした。
特に、閉まるときにばねが強すぎて勢いよく閉まらないようにばねを調節するのが難しかったです。何度もやり直してちょうどよい具合に収まりました。
車内後部から見たキャビネットの全景です。↓
まとめ
実はキャビネットを完成させるのに、ひと夏かかってしまいました。
キャビネットを作ってくれた家具職人さんがものすごい完璧主義の人で、ちょっとのまがりも許さないタイプ。
なのでせっかくやすりにかけてニスを何度も塗ってきれいな木目のでた材木を、少しのゆがみなどでボツにしたことが何度もあったそうです。
2-3ヶ月で完成すると期待していた私としては、あまりにも作業が遅すぎてイライラすることの連続。
それでも出来上がったものは完成度が予想以上に高く、時間がかかってしまったのも仕方なかったのかと納得しました。
家具職人とダンナの次の作業は、キッチン用のキャビネットを同じ素材で作ること。
現在はやっと木目だしのやすりとニスの作業が終了したようです。
さて、どれだけ時間がかかることやら。
素晴らしいものが出来上がると期待して気を長くして待とうと思います。