ベンツスプリンター、キャンピングカー仕様の場合の燃費について考えてみよう
欧米で人気急上昇中の新しいキャンピングカー、メルセデスベンツスプリンターバン。キャンピングカーとなると、アメリカ大陸横断などで長距離を走ることが多くなります。
なので気になるのが燃費ですよね。
例えば、アメリカ大陸横断したらどれくらい燃料費がかかるのか、など。
ここでは我が家でキャンピングカーに改造中のスプリンターを例にとって、スプリンターの燃費についてまとめています。
我が家のスプリンターのスペック
燃費を考えるときに、まず大切なのはスペックを理解することですよね。
搭載されているものの重量が重いほど燃費は悪くなります。
キャンピングカーはキッチンやベットなど搭載するものが多いので一般車両よりも重量が重く、したがって燃費がものすごく悪いのがあたりまえ。
我が家のスプリンターは、
- ハイルーフ
- 144シリーズ(車の前から後ろまでが一番短いタイプ)
- 3500シリーズ (積荷の重量制限は1トンまで)
- 2013年購入に新車で購入
現在キャンピングカーに改造中ですが、現在の下記のものを積んで走っています。
- 両側の天井に設置されたキャビネット(さくらんぼの材木仕様)
- 小型冷蔵庫
- ベット (アルミニウムの足+合板のベットパネル+マットレス)
- ソーラーパネル2枚
- 外付けの日よけ
ここに大人2人(90キロと60キロ)+ 犬3匹 (35キロ+12キロ+13キロ)
と計200キロ近くの重量が加わります。
現在の燃費
上記のスペックで走った場合の燃費は1ガロンで18マイルくらい走ります。
これをリッターとキロメートルにすると、
1リッターで7-8キロ
くらいといったところでしょうか。
私たちはサンフランシスコベイエリアとレイクタホという高原の2ヶ所で生活しています。
1ガロンで18マイルの燃費は、海抜0メートルから、海抜1900メートルを往復した場合の平均値です。
高地から低地への下りは1ガロンにつき約20マイル、低地から高地への登りは約16マイルの平均値になります。
また、この平均値はほぼ渋滞せず、コンスタントに105キロの制限速度で走った場合です。
渋滞するといっきに燃費がさがりますし、105キロ以上で飛ばしても燃費がさがります。
これまでの経験でもっとも燃費がよい速度は90キロでした。
フル装備のキャンピングカーになると燃費は悪化する
現在のうちのスプリンターはキャンピングカーとしてのフルスペックではありません。
キャンピングカーとして完成した場合は、
- キッチン用の流し
- 料理用のコンロ
- 流しとコンロを設置するためのキャビネット(さくらんぼ)
- キッチンカウンター(多分木材)
- 水タンク
- 汚水タンク
- ポータブルトイレ
- ダイニングテーブル
- 簡易チェア
がさらに搭載される予定になっています。
これらを全て搭載した場合の燃費ですが、予想では多分
1リッターで5-6キロ
くらいに落ちるのではないかと予想しています。
燃費が悪いようにかんじられるかもしれませんが、リッターで5-6キロ走るというのはキャンピングカーでとしては燃費が良いほうの部類に入ります。
スプリンターの前にフォードのエコラインといういわゆるミニバンに簡易ベットと冷蔵庫とソーラーパネルを搭載してキャンピングカーもどきとして使っていました。
このフォードバンの燃費はフル装備のキャンピングカーではなかったにもかかわらず、リッターでわずか3-4キロしか走りませんでした。
フォードから比べたら、スプリンターキャンピングカーの燃費はハナマルといえます。
トレーラーを牽引した場合の燃費
長期のドライブ旅行の場合は、うしろにトレーラーを牽引することがあります。
車内スペースが限られている144シリーズの場合、トレーラーに荷物を積み込むことによって車内スペースに余裕ができます。その代わりトレーラーを牽引すると、爆発的に燃費が悪化するという欠点があります。
うちのトレーラーは、高さ2.4メートル、横幅2メートル、長さ4.6メートルのかなりヘビーデューティなタイプで、トレーラー自体の重量が760キロあります。
これにみっちり荷物を積んで牽引すると、燃費が半分近くまで落ち込みます。
1リッターで4キロくらいしか走らなかったという計算です。
スピード出しすぎによる燃費の悪化
この平均値は2年前にアメリカ南西部8州を周遊したときのものなんですけれど、ここまで燃費が悪かった理由のひとつには、スピードを出しすぎていたというのもあるかもしれません。
というのも、私たちが通過したテキサス州のほとんどの高速道路は制限速度が時速136.8キロ(85マイル)という驚きのスピード。
これが乗用車だけでなく大型トラックやトレーラーにも通用する制限速度なので、巨大なウオルマートのトレーラーなどがびゅんびゅん136キロで走っているのです。
ちなみにカリフォルニア州では、大型トレーラーやトラック、トレーラーを牽引している車両の速度は88キロ(55マイル)に制限されています。
一般車両は105キロから112キロ(65-70マイル)なので、トレーラーを牽引していないときは105キロ、トレーラーをつなげて走るときは88キロで走行します。
カリフォルニア在住の私たちは、この制限速度に慣れていたので、テキサスに入っても初めは88キロで走っていました。
が、そんなゆっくりなスピードで走る車は皆無。
みなにがんがん追い越され、気がついたら私たちも136キロで飛ばしてました。
ちなみにこれ、制限速度ですので、もちろん10キロオーバーにあたる144キロ(90マイル)くらいでがっつり飛ばしている車も普通にいる状態です。
燃料は低硫黄の軽油(ディーゼル)
スプリンターの燃料について触れておきましょう。
うちのスプリンターは2013年のモデルですが、軽油の中でも低硫黄の軽油(Ultra-low-sulfur diesel (ULSD))しか使うことができません。
アメリカ国内の軽油は全て低硫黄(ULSD)なので、燃料の心配をすることはありません。
日本では世界に先駆けて低硫黄の軽油を導入しているようなので、スプリンターのための燃料の心配はありませんね。
メルセデスがスプリンターラインをドッジから吸収する前の古いモデルでは低硫黄の軽油でなくても大丈夫のようです。
実は、私たちにとって燃料のことは大きな問題になりました。なぜかというとメキシコでは低硫黄軽油の普及が完全に進んでいないからです。
アメリカとメキシコは地続きなので、車で簡単に出入国ができます。
しかもカリフォルニアとメキシコはお隣どうし。メキシコって車で気軽にドライブに行けるところなんです。
スプリンターを買う前は、フォードのイコラインというミニバンでメキシコまでキャンプに出かけていました。
メキシコ国内でも軽油の低硫黄化が進んでいるようですが、私たちがよく遊びに行っていたメキシコの西海岸から突き出しているバハ半島(Baja California)では低硫黄軽油がまだ普及していなのです。(2016年11月現在)
おいしいメキシコ料理と新鮮なシーフード、美しい海岸線が続くメキシコのバハ半島はお気に入りの場所だったのですが、低硫黄の軽油がでるまではしばらく待たなければならないようです。
まとめ
スプリンターに乗っていると、見知らぬ人たちからよく話しかけられるのですが、よくある質問のひとつが燃費です。
アメリカ大陸のドライブ旅行となると、大陸横断ではなくてもはんぱない距離を走るので、燃費の良いか悪いかってけっこう大切な要素なんです。
3年近くスプリンターに乗ってみてわかったのは、
もっとも効率の良いスピードを守って走れば、SUVよりもちょっと悪いくらいの燃費である
ということでした。
来年の春までには、キッチンが完成する予定になっていますので、重量が増えたところでまた燃費についてのご報告したいと思います。