気軽に歩ける雪山ハイキングのすすめ
雪のトレイルでのハイキングなんてありえないと随分長いこと思っていましたが、最近雪山ハイキングの楽しさに魅せられています。雪におおわれた静かな森ってまるで別の星に来たみたいな体験ができます。スノーシューやクロスカントリースキーがなくても気軽に安全に歩ける雪山ハイキングをご紹介します。
カジュアルな雪山ハイキングのために必要なモノ
森の中のハイキングトレイルは冬の間は雪に覆われています。でもスノーシューやクロスカントリーの人たちがトラックを作ってくれているので、防水加工のハイキングブーツとブーツに装着するスパイクとハイキングポールの3点あれば気軽に歩くことができます。また本格的な登山ではなく普段のハイキングの延長と雪に覆われたハイキングコースを歩くコツをご紹介します。
私がいつも使っているブーツとスパイクとハイキングポール↓
家からトレイルの入り口(Trail head)までは舗装された道を5分から10分くらい歩くので、スパイクもポールもバックパックに詰めていきます。ポールは長さの調節ができませんが、3つに折れて簡単に収納できカーボンで出来ているので超軽量です。
トレイルヘッドでポールを伸ばして、雪道のコンディションによってスパイクを装着して雪山ハイキングに出発です。
もちろん安全第一なので、歩くときは最低限下記をアイテムもバックパックに詰めていきます。
- 水
- チョコレートとパワーバー
- 予備のウインドブレーカー
- ホカロン
- クマよけの鈴(一応冬眠中ですが、タホの山では冬に熊を見かける事は珍しくないので鈴をつけて歩きます)
- ヘッドライト
いつも歩く雪山ハイキングコース:Carnelian Bay Trail からTahoe Rim Trailへ
まずは私がいつもどんなコースを歩いているのかご紹介しましょう。
タホには湖の周りをぐるりと一周できるタホリムトレイル(Tahoe Rim Trail)通称TRTというハイキングコースがあります。私が日常的に歩くのは徒歩で行けるトレイルヘッド(Carnelian Bay Trail)からTRTの分岐点まで登って折り返す約2時間くらいのコースです。
↓タホリムトレイルのサイン。おにぎり型の中にタホ湖の形が描かれています。TRTのあちらこちらで目にするサインです。私はまだこの分岐点からBrockwayの少し先までしか歩いていないのですが、いつか部分的に歩きながら全周したいと思っています。
↓分岐点からBrockwayへ向かう道は人気があるのでトラックができていました。でもWatoson Lakeへ向かうコースは誰もまだ歩いていないようでトラックができていませんでした。雪山ハイクの場合トラックができていないとスノーシューかクロスカントリースキーがない限りは自力で歩くのは無理。なのでWatoson Lakeへの道は閉鎖ということになります。
↓TRT分岐点からの折り返し動画です。このあたりはメドウになっており春先には高原植物が咲き乱れます。
雪崩が発生しにくい地形にあるトレイルを選ぶこと
私がこのコースをよく歩くのはトレイルヘッドが家から徒歩圏内であるというのが第一の理由です。が、このコースは安全に雪山を歩くための必要条件を備えているのです。
それは
- 急こう配のトレイルではなくなだらかに上昇するコース(1920mから約2100m)
- 大きく広がったメドウがコースにあること
- コースが谷底になく急こう配の斜面に囲まれていないこと
といった理由です。
なぜ重要なのかというと、これらは雪崩が起きにくいコースのための必須条件だからです。
雪山ハイクで一番怖いのは雪崩に巻き込まれることです。雪崩はいろいろな条件が重なって発生する災難ですが、きちんと知識を得れば巻き込まれることを避けることができます。
山の奥深くまでどんどん入っていくバックカントリーのハイキングをする場合は、事前に雪崩の安全コースを受講することが絶対に必要です。
雪崩の知識とともに、巻き込まれた場合のサバイバルテクニックや雪に埋まった時の位置を知らせるビーコンの携帯するなど生死にかかわる重要な情報を学ぶことができます。
雪山ハイキングのタイミング
タホの天候パターンは2-3日のスノーストームが続いたあと10日から2週間ほどの晴天が続くのが一般的です。スノーストームが次から次へと来ることはまれなので、晴天での雪山ハイキングをかなり長い期間楽しめます。
スノーストームの直後はトラックができていない(=スノーシューやクロスカントリーの人が入っていない)ことが多く、実際にハイキングブーツとスパイクだけで歩けるようになるには少し時間がかかります。これまでの体感としては1メートル以上の大雪の場合は、スノーストームが去って1週間くらいたたないと楽に歩くことはできない感じです。トラックができて直後はまだ雪が固まっていないのでハイキングブーツごとずぼっと新雪にはまることが多く歩くのにかなり苦労します。
これを避けるために大雪の後は晴天になってから1週間くらい待つことをお勧めします。
↓1メートル半近く積もった大雪の後のトレイル。見た目きれいにトラックができていますが、大雪の2日後だったのでまだ雪が固まっておらずずぼずぼと新雪にはまりながら歩いて大変でした。
20-30センチ程度の積雪であれば比較的早くハイキングに出ることができます。トラックさえできていれば大雪の時のように新雪にずぼっとはまることもほぼありません。
気温が急上昇しなければ木の枝に雪が残っていることも多くマジカルワールドを体験することができます。
↓タホの山は常緑樹がほとんどなので雪の後はクリスマスツリーがあちこちに出来上がります。
↓近所のコースを積雪が少なかったストームの後に歩いてみました。
まとめ
雪のトレイルを歩く雪山ハイクの概要をつかんでいただけましたでしょうか?スノーシューのような道具がなくても気軽に歩ける雪山ハイキング。これまで冬のスポーツはスキーだけだった日常での楽しみが増えました。
うさぎなど小動物の足跡を探しながらあるくのも楽しいし、静かな雪の森は独特なオーラがただよっていて歩くたびにリフレッシュすることができます。