レイクタホのハイキングガイド、一番人気のイーグルフォールス
アメリカ西海岸を南北に走るシエラネバダ山脈。その中にあるレイクタホの周りにはハイキングや登山コースがわんさかあります。
中でも特に人気の高いのがイーグルフォールストレイル(Eagle Falls Trail)。楽なのぼり坂が続くコースでハイキング初心者でも無理なく歩くことができます。
今回は、このイーグルフォールストレイルをご紹介します。
レイクタホ観光名所、エメラルドベイのすぐ近くにあるコース
イーグルフォールスのハイキングコースはレイクタホで最も大きな街であるサウスレイクタホから車で約20分。
ノースレイクタホの中心地、タホシティからは車で約30分のところに位置しています。
このハイキングコース、なんとレイクタホの中でも最も美しいといわれているエメラルドベイ(Emerald Bay)の隣にあるんです。エメラルドベイは小さな入り江になっていてホントに水がエメラルドな美しいベイ。エメラルドベイを見下ろすことのできるビスタポイントから道路を挟んで反対側にイーグルフォールスの登山口があります。
イーグルフォールスでハイキングをするのなら、ぜひエメラルドベイにも寄ってみてください。
まさにその名のとおり、エメラルド色したエメラルドベイ↓
デソレーション自然地区というタホで最も美しいエリア
イーグルフォールスハイキングコースはデソレーション自然地区 (Desolation Wilderness)というとてもきれいな山並みの中にあります。
デソレーション地区にはレイクタホを囲む山々の尾根や小さな湖、滝、川が点在していて、テントをしょって縦走するバックパッカーたちにとても人気のあるエリア。
イーグルフォールスはデソレーション地区のゲートのような存在で、デソレーションでバックパックをする人たちのスターティングポイントです。
日帰りハイキングの場合はイーグルフォールスを通過してイーグルレイク (Eagle Lake)まで歩くのが一般的。片道約3キロです。
私たちは、イーグルフォールス、イーグルレイクを通過して次の湖であるミドルベルマレイク(Middle Velma Lake) まで行ってみたかったのですが、断念して登山口から約8-9キロ地点で引き返しました。
登山口からミドルベルマレイクまでは約15キロあるので、日帰りで歩くには早朝出発でかなり早い速度で歩かなければなりません。
イーグルレイクからローワーベルマレイク(Lower Velma Lake) 、その先には高地の湖や滝があちこちにあるデソレーション自然地区。ベージュのラインが登山道で、私たちはカスケードレイクへの分岐点の前で引き返しました。↓
登山口で入山許可証を提出する
レイクタホの西側にある国道89号線を車で走っていくとイーグルフォールス登山口の看板がでてきます。
Trailheadとは登山口を意味します。
看板のところから駐車場に入ります。週末は常に満車なので朝は早く出発することをおススメします。駐車場が満車の場合は89号線沿いにも駐車できます。
山に入る前に入山許可証を提出しなければなりません。看板の横に入山許可証が入っている箱があるので名前や入山日、パーティの人数などを記入して付随のポストに投函します。
入山許可証↓ 私たちは登山歴20年以上の女子2人。グループにつき1枚提出します。
登山口からイーグルフォールスへ
登山口からすぐのところにイーグルフォールス(=滝)という名所があります。滝を見るだけの最短コース(約20分くらい)を歩くだけの観光客も多いのです。
なので登山口から滝までの道のりは登山というより観光名所を歩いているような感じです。重装備のバックパッカーと私たちのような日帰りハイカー、短パンにビーチサンダルなどで歩く観光客が入り混じっています。
ちなみに滝をみるだけなら入山許可証を提出する必要はありません。
登山口↓ 最初は登りが続きます。
岩の階段を登っていくとイーグルフォールスの小さな看板が見えてきます。ここまでは登山口から10分弱。
橋を渡ると右手に滝が見えるはずなんですが、
滝はかなりちょろちょろでほぼ干上がっておりました。ここの滝が勢いよく流れるのは春先から初夏にかけて雪解け水がどっさり山から落ちてくるときだけなんです。
滝を楽しみたい方はぜひ春先に訪れてください。ただし週末などはものすごーく混雑します。
一般観光客はここでループになっている滝見学コースをぐるりと回って帰っていきますが、デソレーション自然地区を歩く場合はここからが本格的なハイキングのスタートです。
滝を通過すると入山許可証なして山に入るな、という看板がでてきます。
イーグルフォールスからイーグルレイクへ
ハイキングコースは岩の道と砂の道が交互にでてきます。整備されているので歩きやすいですが、ところどころ道がわかりにくいところがあるのでコースからはずれないように気をつけてください。
かなり標高があがっていきます。登山口が約1900メートルで今回のコースで2400メートルくらいまで上がりました。
レイクタホが小さく見えます。
雄大な岩肌が続きます。シエラネバダ山脈でとてもよくある光景。ヨセミテのエルキャピタンみたいな岩のかたまりです。
イーグルレイクとベルマレイクの分岐点が出てきました。ベルマレイクに向う前にイーグルレイクに寄って行くのが一般的です。
イーグルレイク↓ 言葉にあらわすことができないくらい美しい高地の湖です。
あたりまえなんだけど、超透明な水↓
イーグルレイクで一休みした後は、イーグルレイクとベルマレイクの分岐点まで戻り、ベルマレイクを目指して進んでいきます。
ここまでで登山口から約3キロ、標高約2100メートルです。
ベルマレイクまでの道
イーグルレイクからベルマレイクまでは約11キロほどあります。多分一日では歩ききれないだろうなと思いつつ、とりあえず歩けるところまで歩いてみることにしました。
岩肌に沿って登りが続きます。岩肌が東側になるのでこの時点での登山道は日陰です。
岩肌から日が昇ってきた!
右手には先ほど休憩してきたイーグルレイクが見えます。
しばらく山間部を歩くと、岩だらけのオープンスペースが出てきます。道中は山間部と岩だらけ斜面と小さなメドウの繰り返しです。岩だらけのエリアは木が少ないので日陰がなくって暑い!気温は約25度から28度くらい。湿度がない分気温が高くても比較的過ごしやすいですが日差しがきついです。
極太の木があちこちにあります。大人の5倍はあるに違いないふとーい松↓
登山道に倒れた大木を乗り越えて進んでいきます。
下は谷底で小さな沼が見えます。
残念だったのですが、この日はベルマレイクまで行って折り返すのは断念して登山口から約8-9キロ地点で折り返すことにしました。
自分たちの力を過信して無理をするのは禁物。下りとはいっても山を降りる体力も残しておかなければなりません。午前9時に登山口を出発して午後3時に同じ登山口に戻ってきました。
ベルマレイクまで行くのならテントと食糧を担いで縦走するほうがよさそうです。
ベルマに向う途中で日帰りでベルマまで行った人たちに数組会いましたが、かなり早朝から出発していたようです。
秋の高山植物
シエラネバダの高山植物はほとんどが8月の初めころまでに終わってしまいます。高山植物は6月から7月がピークです。
今回のハイキングは9月の上旬。なので高山植物を見ることはないだろうなと思っていたのですが、おもいがけず秋の植物たちに出会うことができました。
名前はわからないのですが、りんどうみたいな花?可憐に咲いておりました。
どんぐりさま
栗みたい。北米ではずいぶん前に栗の木が病気で絶滅したとのことで北米で栗ってあまりみかけないのです。復活してきたのでしょうか?それとも栗ではないのかな?
この赤いつぶつぶはあちこちに咲いてました。オレンジのもあった。
岩肌から無理やり咲いていた赤い花。小さくてもたくましい。
大きな杉の根元にどっかり生えていたおばけきのこ。もちろん食べませんよ。食べれそうな感じだったけれども。
まとめ
タホに数あるハイキングコースの中でも一押し人気のイーグルフォールス。
デソレーション自然地区の入り口にあって、日帰りでも歩けてしまう気軽さ、と同時に一歩山に入ると神々しいくらい美しい景色が続きます。
以下はこれからイーグルフォールスを日帰りで歩いてみようという方への簡単なアドバイスです。
1)朝早く登山口を出発すると最初の1-2時間はコースが日陰になるので歩きやすいです。これ結構大事。
2)イーグルレイクまでの3キロ地点で一度休憩をとってその先どこまで歩けるか目安をつけましょう。
3)日陰のない岩肌の登山道が何度もでてきます。帽子、日焼け止め、お水はしっかり持参すること。紫外線がきついのでサングラスもおススメ。
4)岩肌の登山道は目印がわかりにくくコースを外れやすいので、少し歩いて外れたなと思ったら迷わず引き返すこと。
5)イーグルレイクの先にあるミドルベルマレイクまでを日帰りで歩くのはかなり大変。無理をせず途中で引き返しましょう。
6)イーグルフォールスを楽しみたい場合は春先をおススメします。夏の終わりは干上がってちょろちょろの情けない滝になります。
7)高原植物は7月の上旬までがピーク。8月になったらめっきりと花の種類が減ります。
次回はテントと食糧を担いでぜひデソレーション自然地区を縦走してみたいです。