アメリカ西部をアムトラックで電車旅してみた体験記

      2017/07/10

車や飛行機での移動が主体のアメリカですが、実は長距離を走っている鉄道もあります。

アムトラックという全米の主要都市をつなぐ中・長距離鉄道はアメリカの50州のうち46州を網羅しており、私たちの住んでいるカリフォルニアでも運行しています。

今回は、カリフォルニアのシエラネバダ山脈のふもとにあるトラッキーという山の街からエマリービルというサンフランシスコのとなり街までの6時間、約280キロの列車の旅をご紹介します。

アムトラック

アムトラック乗車券の買い方

アメリカの大都市には各都市にそれぞれ通勤電車みたいのがあります。この場合は駅で切符を買うのが一般的。

アムトラックの場合はネットかまたは電話で切符を購入するケースがほとんどです。なぜかというと長距離を走るアムトラックでは駅員さんの常駐していない無人駅のほうが圧倒的に多く、駅員さんのいる駅はまれ。よって駅で切符を買うことができないのです。ニューヨークなど大都市にある駅ならば切符を買うことができますが、駅の近くに住んでいるのならまだしも、わざわざ駅まで行って切符を買うよりはオンラインか電話で購入したほうが便利です。

アムトラックのサイトはこちらから。

ネットでチケットを購入すると確認のメールとともにPDFファイルのEチケットが添付されてきます。

乗車するときは車掌さんがQRコードを読み取ってチケットの確認をします。このとき身分証明書も提示します。

アムトラックのお値段

さて気になるお値段ですが、乗車券の値段は座席のタイプやシーズンや込み具合などによって大きく変動します。

またキャンセルしたときに100%お金が戻ってくる乗車券は割高になります。

今回のトラッキーからエマリービルまでの乗車券は片道で45ドルでした。これはキャンセルしたときに全額返金されない一番安いチケット。100%返金されるチケットにすると87ドルに跳ね上がります。

燃費の比較的良いうちの車(スバルフォレスター)の場合ガソリン代が20-30ドルくらい。車なら3時間で走れる距離ですが、列車では6時間かかります。よって経済効果を考えたら車のほうがお得です。

ただし列車のメリットは乗っているあいだにぼんやり景色を眺めたり、昼寝をしたり、仕事をしたり、いろいろなことができること。また最近特に激しくなった交通渋滞をさけることもできます。

どちらがいいかは支払う金額だけの問題ではなく、目に見えないコストも考慮することが大切だと思います。

 

トラッキー(レイクタホ近郊)からエマリービル(サンフランシスコ近郊)までのルート

2拠点生活をしている我が家ですが、拠点のひとつのレイクタホからもう一つの拠点バークレー(サンフランシスコ近郊の街)までアムトラックで移動することができます。

レイクタホまでは電車が来ていないのですが、車で30分ほどの近郊の町、トラッキーにアムトラックの駅があります。

もう一つの拠点バークレーへは、エマリービルという隣町の駅を使います。エマリービル駅から住居にしているヨットの停泊しているマリーナまで車で10分。

トラッキーからエマリービルまでの乗車時間は約6時間なので、アムトラックを使ってうちの2拠点を移動する場合ドアツードアーで7時間くらいかかります。

amtrack_rev

アムトラック電車の乗り方

アムトラックの多くの駅は基本的に駅員さんのいない無人駅ですが、駅の構内には待合室やトイレなどの設備が整っています。

 

トラッキー駅↓ このクリーム色の建物の中に待合室や併設された観光案内所などがあります。

アムトラック駅

 

 

定刻どうりに電車がやってきました。↓

 

アメリカアムトラック電車旅

日本の駅のようなプラットフォームはないので、線路の隣の地べたを歩きます。この辺、開発途上国ちっくな電車の乗り方です。

 

電車が駅に入ってくるときの案内などはまったくなく、なにげに電車が駅について乗客がわらわらと乗り込む車両に向って歩いていきます。

どうやらトラッキー駅から乗り込む人はみな5号車に割り当てられたようで、5号車のみのドアが開きました。

5号車から車掌さんがでてきて乗車券をチェック、それと同時に座席の番号が書いてある手書きの紙を渡してくれます。

 

アメリカアムトラック電車旅

番号のついている座席に行くと、私の行き先がかかれた手書きの紙がはさまっています。

 

いちおう座席はあてがわれるのですが、車掌さんによると行き先の紙がはさまっていない席ならばどこへ移動しても良いとのこと。

基本は自由席ってことですね。

 

車内(コーチ)の様子

車内はかなりひろびろしています。閑散期なこともあって空席がたくさんありました。↓

アメリカアムトラック電車旅

 

座席もひろびろ。163センチの私がまっすぐ足を伸ばすことができるスペースです。足のせもついているし、前の人が座席を倒してもまったく気にならない。

飛行機のエコノミークラスとはくらべものにならないくらいの快適さ!ラップトップなどを充電する電源も各座席についてます。

ポケットWiFiは走行中はほぼつながっててくれました。落ちたのは山の中なトンネルなど一部だけ。

アムトラック車内

展望車両、カフェテリアと食堂車

アムトラックに乗ることがあったら、必ず立ち寄って欲しいのが展望車両。両面が天井部分までガラス張りで思いっきり景色を楽しむことができます。

また要所要所で、簡単な観光案内も流れてきます。右手に見えるのはxxxって感じで観光バスのよう。

 

車両の両側についている座席に座って景色を楽しむ乗客↓

アムトラック展望車両

 

ここに座ってぼけーっと景色を眺めているだけで癒されますよー。

アムトラック展望車両

 

2階に設置されている展望車両の下にはカフェテリアがあります。

スナックやお茶、簡単なサンドウィッチなどが用意されています。

アムトラック車内カフェテリア

 

カフェテリアはこのおじさんが一人できりもり↓
アムトラック車内カフェテリア

 

リプトンの紅茶が2ドルでございました。本物のミルクはないのでパックに入った偽クリームでがまん。

アムトラック車内カフェテリア

 

こちらは食堂車です。お昼前で準備中でした。寝台車で旅する人は夕食をここでいただきます。座席の人ももちろん利用できますよ。

アムトラック食堂車

 

パックに入ったケチャップ、マスタード、ピクルスなどが並んでいるあたり、ファストフードとそんなに変わらないかんじです。

ハンバーガーにグリルサンドウィッチなどが主なメニューだと思います。
アムトラック食堂車

しかーし、ご飯のまずいことで知られるアメリカ。食堂車ともなればかなりすごそう。

ということで私の場合は家から用意してきたランチを座席でいただきました。アムトラックの2ドルの紅茶つきです。

アメリカでサバイバルするには自炊が必須事項。自炊できないとあっという間にホームシックにかかります。

 

 

 

車窓から見える景色たち

トラッキーからエマリービルまで車窓から見える景色は、トラッキーにあるドーナー湖を見下ろすところから始まって、シエラネバダ山脈の針葉樹の中を走っていきます。

アムトラック車窓からの景色

 

 

 

山林地帯を通過すると最初に出てくる小さな街がコルファックス。かつて金鉱開発で栄えた街です。金鉱があったシエラネバダのあちこちには金でうるおってその後消えてなくなったゴーストタウンがたくさんあります。コルファックスはゴーストタウンにはならなかったけれど何もない小さな街です。

コルファックスの駅の周り↓

アムトラック車窓からの景色

 

コルファックスから先はなだらかな渓流地帯が続きます。

カリフォルニアで一番長い川、サクラメントリバー↓

アムトラック車窓からの景色

 

カリフォルニアの州都、サクラメントに到着です。州都といっても高層ビルがちょこっとあるだけの地味な街。
アムトラック車窓風景

 

さすがに州都のサクラメントにある駅だけあって、日本の駅みたいにプラットフォームがいくつかあります。

地下道からプラットフォーム間を行き来できるあたり、かなり最新式の駅です。こういった駅では乗車券の購入ができます。

アムトラックサクラメント駅

 

ちなみに列車が駅から出発するときも発車のベルなどもいっさいなく、何事もなかったかのようにさっさと発車してしまいます。

これ、気をつけていないと乗り遅れちゃう危険おおあり。日本の親切な乗車案内に慣れていると驚きのアメリカ電車事情です。

 

サクラメントを過ぎると果樹園や畑が続きます。カリフォルニアはアメリカでも有数の農業地帯なんです。このあたりではウオルナッツやストロベリー、ピーチやガーリックなどが栽培されています。

カリフォルニア大学デイビス校の駅。全米でトップクラスの大学です。有名な獣医学部がありデイビス付属の大学動物病院には全米から患者が訪れます。

シエラネバダ山脈の針葉樹の中を走っていきます。

 

カリフォルニアの”バレー(谷)”と呼ばれる一体。砂漠ちっくな風景とローリングヒルズがいくつもでてきます。
アムトラック車窓風景

 

サンフランシスコ湾が近づいてくると製油工場が見えてきます。サンフランシスコ湾には巨大な製油工場がいくつもありオイルを積んだスーパータンカーがひっきりなしに入港します。観光地のイメージとはかけ離れているけれど、石油コンビナートがいくつもつらなっているのもこの街の現実です。
アムトラック車窓風景

 

サクラメントリバーの終点。ここからサンフランシスコ湾が始まります。
アムトラック車窓風景

 

サンフランシスコ湾に入ると、列車は湾の水際を走っていきます。左手にみえる木々の向こうがサンフランシスコ市内になります。この日はサンフランシスコに霧がかかって電車からサンフランシスコを見ることはできませんでした。
アムトラック車窓風景

 

エマリービル駅に到着。↓
アムトラックエマリービル駅

サンフランシスコに行く場合はエマリービルでアムトラックバスに乗り換えます。有名観光地のサンフランシスコの乗換駅なのでエマリービル駅は乗降客が多く、アムトラックの駅の中ではかなり大規模な駅といえます。

 

サンフランシスコ行きのバス↓

シエラネバダ山脈の針葉樹の中を走っていきます。

 

車だとエマリービルからサンフランシスコの市街地までは約15分(渋滞なしの場合)なのですが、あちこち寄っていくバスの場合45分くらいかかるようです。この辺も公共の交通機関の不便なところ。

 

エマリービルの駅構内。簡単な軽食を出すカフェテリアもあります。

アムトラックエマリービル駅

 

エマリービル駅の窓口。ここで乗車券を買ったり荷物を預ける場合のチェックインをします。
アムトラックエマリービル駅

 

まとめ

アメリカ列車の旅、雰囲気をお伝えすることはできたでしょうか?

今回は短い旅でしたが、アムトラックの寝台車に乗れば数日かけてアメリカ大陸を横断をすることだってできちゃうんです。

 

スケジュールが遅れることの多いアムトラックですが、この日はなんと到着予定時刻よりも1時間も早くついてしまいました。

サクラメントを過ぎたあたりから、”予定よりも早い到着をめざしているから、皆さん降りる場合はちゃっちゃと手際よくお願いします、”というアナウンスが何度も流れ、列車もかなりスピードを上げていた模様。

車内を歩き回っていた車掌さんたちも、早くうちに帰って地元のピザ屋でピザ食べたーい、とご機嫌の様子。

今回私が乗車したのは、全行程で51時間かかるシカゴからエマリービル(=サンフランシスコ)までの長距離列車の最後の6時間でした。

行程の終わりのほうの駅で乗車してくるお客さんがいなかったためか、とにかく最後の2時間はがんがんとばして1時間早い到着となったようです。

途中から列車がものすごく揺れてパソコン打つのが大変だったのはスピードを上げたせいだったのかと納得。制限速度とかないんでしょうかね。

 

日本の電車とはまた一味違った面白いアメリカ電車旅。ぜひ一度お試しあれ!

 - アメリカ大陸横断, サンフランシスコ, レイクタホ旅行ガイド