2019年改訂版:びっくり仰天のアメリカ温泉事情!日本とはこんなに違うのだ
注)2019年8月に改訂しています。
温泉といえば日本ではとても人気のあるレジャー。
アメリカにも温泉はありますが、温泉に入ったことのないアメリカ人の方が多いくらい、あまり人気のないレジャーなんです。
しかもアメリカの’温泉って日本の温泉とは違うことだらけ。
初めてアメリカで温泉に入ったときは、こ、これが温泉なのか???ととってもびっくりしました。
そんなアメリカの温泉ですが、ここではアメリカと日本の温泉の違いと、サンフランシスコ近郊の温泉地で温泉に入れる施設をご紹介します。
アメリカの温泉は療養地として始まった
英語で温泉はhot springsといいます。火山のあるとこ温泉あり、で全米のあちこちには温泉があります。
アメリカの温泉ってもともとは療養のためのもので、温泉とは具合の悪い人が体を直しに行くところという文化が定着したのではないかと思います。
北東部にあるアーカンソー州には、ホットスプリングスという国定公園になっている街があります。
ここはかつて人々が療養のために温泉に訪れたところ(バスハウスといいます)ですが、今では温泉にはいることのできる施設は2-3件のみ。
バスハウスの一つは国定公園の博物館として見学することができます。
まるで病院みたいな博物館になっているバスハウス。こんな風に寝たきりの方をたんかに乗せて温泉で治療したんでしょうね。↓
蒸し風呂なんだと思うのですが、ちょっと怖い系の医療設備↓
アメリカ流の温泉は温泉スパで楽しむ
現代では、療養としての温泉ではなく、スパとしての温泉が定着しています。
アメリカの温泉施設でもっとも一般的なのがマッサージなどを提供するスパと温泉が一緒になっているところ。
日本風にいうと温泉スパといった感じでしょうか。
宿泊施設を備えているところもありますが、マッサージと温泉につかるセットで日帰りもできます。
少数ですが、トリートメントなしで温泉につからせてくれるところもあります。
温泉スパと日本の温泉、ここが違う!
アメリカではもっとも一般的な温泉スパですが、日本の温泉宿や日帰り温泉とは違うところだらけです。
湯船は真四角なスイミングプール
温泉といっても日本風の湯船はありません。
アメリカの温泉は25メートルくらいのスイミングプールになみなみとお湯が入ってます。
みためは普通のプールと変わりませんが、さわってみるとお湯=温泉。
ここで浮き輪にのっかってぷかぷか浮いたり、軽く泳いだりしながら温泉を楽しみます。
ときにはプールが曲線になってたり、円形の温泉ジャクジーもありますが、日本のようなヒノキ風呂とか岩風呂はありません。
同じ温泉水でもヒノキ風呂でつかるのと味もそっけもないスイミングプールでつかるのとは気分がちがいます。
もう少し工夫してほしい、アメリカの温泉!(怒)
見た目普通のプールっぽいですが、これがアメリカの温泉なんです↓
水着着用で入るところがほとんど
基本的に男湯や女湯はなく、混浴です。なのでほとんどのところは水着着用です。
日本の温泉で育ってきたわたしとしては水着でお湯につかるのってすごく変な感じでした。
これまで行ったことのある温泉の中で、男女別れて裸で入れるところは一軒だけ。
混浴でも水着を着なくてもよい温泉もあります。が、裸のおじさんとかがわらわらいて、入るのに結構勇気がいります。
プールサイドに寝そべってゆったり過ごす
温泉を楽しむ一般的なイメージは、スイミングプールでのんびり過ごすかんじ。
なので温泉での過ごし方はプールサイドにあるデッキに寝そべって、昼寝したり、飲んだり食べたりしゃべったり、本を読んだり。
リゾートホテル風にお酒や軽食などを持ってきてくれるところもあります。
はっきりいってホテルによくあるスイミングプールの光景とほぼ変わりはありません。
温泉プールのプールサイドにあるデッキ。ここでゆったりくつろぎます↓
お湯がぬるい
日本の温泉とは違ってお湯がぬるいんです。なので寒い日はちょっとつらい。
プールの中でお湯が噴き出ている吹き出し口を見つけてくっついてないと冷えちゃいます。
冷えすぎたときは温泉プールに併設されているサウナであったまってからまたお湯にはいったり。
なんだかなあのアメリカの温泉なんです。
多量の塩素を使っている温泉プールが多い
とっても残念なんですが、スイミングプールと概念があまり変わらないので大量に塩素を使っている温泉が多いのです。日本でも塩素を使っている温泉が多々ありますが、塩素臭がひどいことってあまりないですよね。
アメリカの温泉は塩素がきつすぎて温泉につかっているのか、スイミングプールの塩素水につかっているのかわからないようなところもありました。
これまで行ったところで塩素臭が感じられなかったのは2軒だけ。
ほとんどの温泉スパでは大量に塩素を使っていると思われます。
野生に戻って超自然な温泉につかる
アメリカで温泉につかるもう一つの方法は、山の中の自然な温泉につかること。
山奥に入ると、川沿いなどに自然に温泉がわきだしているところがあり、岩などをつみあげてできた、これぞ自然の岩風呂を楽しむことができます。
ハイキングやトレッキングを組み合わせて温泉まで歩くのも楽しいですが、たいてい山奥にあるので軽装ではなく山歩きの装備をある程度準備することをおススメします。
私たちの行った山奥の自然温泉は片道徒歩6時間の山奥だったので、テントや食糧を担いでの温泉旅になりました。
サンフランシスコ近郊の温泉リスト
サンフランシスコ近郊には温泉に入れる施設がかなりあります。この数、全米の中でも多いほうだと思います。
温泉大好きなので、これまでいろいろな温泉に行ってきました。
これまでに訪れたサンフランシスコ近郊の温泉地と施設をご紹介します。
カリストガ(Calistoga)
サンフランシスコ近郊ではワインで有名なナパバレーの先にあるカリストガという街が温泉どころで、温泉スパが何件かあります。
サンフランシスコ市内からは車で1時間半くらいのアクセスです。
インディアンスプリングス(Indian Springs)
サンフランシスコから気軽に行けるスイミングプールでぷかぷか浮かぶ典型的な温泉スパです。
いくつか行った温泉スパの中では一番おススメできます。
お湯がやわらかくて気持ちいいし、大人用とキッズ用のプールがあるので静かにお湯につかりたい人向け。塩素もそれほど強くありません。
マッサージなどを受けるトリートメントの施設がいまいちだったけど、最近リニューアルしたそうなのできれいになっていることを期待したい。
週末やバカンスの時期などは込み合いますので早めの予約をおススメします。
インディアンスプリングスの温泉プールの入り口↓
カリストガホットスプリングス (Calistoga Hot Springs)
インディアンスプリングスに比べるとちょっと庶民的です。
大きなスイミングプールでキッズが飛び込んだり泳いだり、家族連れのグループがプールサイドでピクニックをしたり、なんだか夏の市民プールかなあといった感じ。
キッズがおもいっきりはしゃいでもだいじょうぶなので子供連れの人にはおススメです。
ソノマ(Sonoma)
ナパバレーの隣町、これまたワインで有名なソノマバレーにも温泉スパがあります。
ウイローストリームスパ@フェアモントホテル (Fairmont Hotel、Willow Stream Spa)
フェアモントホテルという高級ホテルに併設されている温泉スパです。
日本にはないホテルですが、カナダのホテルチェーンで海外の高級リゾートによくあるホテルで、スパも高級感あふれる施設で優雅な気分になれます。
残念ながら、お湯の質がいまいち。これホントに温泉なのかな~と疑ってしまうかんじでした。
しかもプールサイドの壁の向こう側が道路になっているので、壁で見えないものの車がひっきりなしに往来するのが聞こえてしまってちょっと残念な感じでした。
それでもフェアモントに泊まって優雅にスパを楽しみたい人にはおススメです。特にフェアモントのダイニングルーム、サンテ(Sante)はここだけのために来てもよいくらいおいしかった。
トリートメントと組み合わせた日帰り利用もできますが、泊りを組み合わせるとお得なプランがあります。
ウイローストリームスパ↓
ビッグサー(Big Sur)
サンフランシスコから2-3時間南下した海沿いの街、ビッグサー。きりたった崖と絶景のコーストラインで有名な観光名所ですが、実は温泉の宝庫でもあります。
サイクスホットスプリング (Sykes Hot Springs)
6時間山の中を歩いてたどりつく、超自然のお風呂です。
テントをしょってかなり高低さのある山道を歩くのはきついですが、がんばって歩く価値あり。
サンフランシスコから2時間ほど南下したビックサー(Big Sur)という自然公園の近くにあります。グーグルマップでSykes Hot Springsといれて検索すると場所が特定できます。
私たちはサイクスの自然でできたお風呂の近くにテントをはって一泊しました。
*2019年追記:2018年に起きたビッグサーの山火事の影響でサイクスホットスプリングへのハイキングコースとサイクスのキャンプサイトは2019年8月現在閉鎖されています。再開のめどはたっていない模様です。
タサハラ禅センター(Tassajara Zen Mountain Center)
ビックサーの山の中にある禅寺で春先から夏まで一般の人に開放しています。
1泊3食付で温泉を利用することができます。禅寺なので食事はベジタリアン。すっごくおいしいです。
特に毎朝でてくる焼き立てのパンが激うま。座禅は参加自由です。
ここのお風呂は男女別になっていて裸で入れる日本式。アメリカ温泉の中で一番素晴らしかったお風呂です。
アクセスが難しいのが難点。舗装されていない山道を車で1時間くらいかけて登っていきます。ケータイの電波はなく、通信手段は禅寺にある普通の電話のみ。
4輪駆動の車がない場合は送迎のシャトルバンを利用します。
レイクタホ・リノ(Lake Tahoe/Sierraville/Reno)
サンフランシスコから車で4時間くらいかかりますが、私たちの拠点、レイクタホの近くにも温泉がたくさんあります。
シエラホットスプリング(Sierra Hotspring)
超ヒッピーな温泉施設ですが、温泉としてはタサハラ禅センターの次に素晴らしいお風呂。レイクタホからは約1時間のドライブです。
混浴ですが水着着用は自由。水着を着ている人は少数派で、男子も女子もおもいっきりすっぱだかな温泉です。
お湯の質がものすごく良いのと塩素を使っていないことがハナマルな温泉。日本風の岩風呂ちっくなのもあります。
泊りがけの場合は宿泊施設もあり、敷地内でテントを張ってキャンプすることもできます。
宿泊施設では共用のキッチンを使って自炊もできますし、週末だけはレストランもオープンします。
トリートメントなしでの日帰り温泉サービスもあります。(うちはいつもこれです)
混浴すっぱだかで大丈夫な方にはおススメします。
スティームボートホットスプリング(Steamboat Hotsprings)
リノはシエラネバダ山脈の中にある高原の砂漠地帯。実は温泉があちこちにたくさんあるらしいんです。
が、行ったことがあるのはこのスパだけ。
暑いのからぬるいのまでいくつかのプールがあります。塩素がきつかったのがちょっと残念。
まとめ
日本の温泉とくらべると、考えれないことの多いアメリカの温泉。
はっきりいって温泉の無駄!と思うことも多いのです。
せっかくお湯がでるのにうまくつかってない!
塩素を入れるのはやめてほしい!
湯船をもっと工夫してほしい!
男女別にして裸で入りたい!
などなど叫びたいことがたくさんあります。
もっと掘ればあちこちお湯がでそうなんだけど、日本のような温泉文化がないので、温泉施設を開発しようとする業者もいないんですね。
ちょっと残念なアメリカの温泉事情ですが、話の種にアメリカに来ることがあったらアメリカンな温泉も一度は体験してみてください。
Comment
アメリカで温泉経営をしてみたいとはおもいませんでしたか?
コメントありがとうございます。誰かが経営してくれないかなーと期待していますが、自分で考えたことがないです。かなりの初期投資がいるし、アメリカ人の温泉利用をみていると日本式の男女別で裸で入るお風呂スタイルに需要があるとは思えないです。でもどなたか日本式温泉を始めてくれたらすごいうれしいです。
おもしろいですね。山奥におんせんがでる
とこがあったら興味ありますね。日本の場合源泉を所有するというのは難しいし関連法規もむずかしいです。夢みたいなお話です。
アメリカも何か法規があるのかもしれません。その前に温泉を掘ってくれる業者さんを探すのが大変そうです。自分で機械をレンタルして掘るのが手っ取り早そうです。