アメリカ西海岸ドライブ:モントレーからセントラルコーストのワインナリーへ
ロスアンゼルスへ行く用事があったので、サンフランシスコからモントレー(Monterrey)そしてセントラルコーストにあるワインカントリー、パソロブレス(Paso Robles)へ寄り道してみました。セントラルコーストはナパバレーについで有数のワイナリーがそろっているところ。冬の静かなワイナリーでアットホームなワインテイスティングを楽しみました。
サンフランシスコからセントラルコーストへの道のり
カリフォルニアのセントラルコーストはサンフランシスコベイエリアとロスアンゼルスのちょうど中間地点にあります。その名のとうり、カリフォルニアの2大シティの真ん中(=セントラル)にあるのです。海外からの観光客はあまり訪れないところですが、アメリカ国内ではとてもよく知られた観光スポットで、中でもパソロブレスはカリフォルニアワインのメッカでもあります。
サンフランシスコベイエリアからパソロブレス(Paso Robles)までは約200マイル(320キロ)でどこにも寄り道しなければ3時間のドライブです。とはいっても途中で見どころはたくさん。今回はロスへ行く途中だったのであまり寄り道できなかったのですが、数日かけてじっくり回る価値のあるロードトリップのコースです。
まずはモントレーで一泊
私たちの船(=家)が停泊しているバークレー(サンフランシスコの対岸の町)を出発するのが午後遅くになってしまったので、バークレーからや2時間のドライブで行けるモントレーで一泊していくことになりました。
モントレーはとてもよく知られた観光地。ゴルファーのあいだでは世界的に有名なパベルビーチというゴルフ場のあるカーメルとともに、ベイエリアの住民にとっては週末に気軽に行ける場所でもあります。首都圏に住む人が週末に伊豆半島へ遊びにいく感覚ですね。
モントレー到着後、地元のメキシカンレストランでさくっと夕飯をとって、カナリーロウというツーリストが必ず立ち寄るエリアに繰り出してみました。
カナリーロウのメインストリート↓
メインストリートは海に面していて海沿いの散歩道もあります。昼間は気持ちよく散歩ができそう。
かつては大きな漁港だったモントレー。モントレーの缶詰工場跡は観光名所になっています。↓
メインストリートを抜けると、モントレー水族館があります。↓
実は私たちベイエリアに20年以上住んでいるのですが一度も行ったことがないのです。そのうち行ってみよう、が20年続いております。今年こそは行ってみたい。
モントレーのRVパークに一泊してワンコたちと朝のお散歩。↓
実はモントレーって霧がよく出るんです。これは観光案内ではあまり教えてくれないのだけれど、特に夏の午前中は深い霧に覆われることが多いです。この霧の発生は北カリフォルニアのコースト沿いの町ではよくある現象なんですが、ところどころに霧が出ない町もあります。例えばお隣のサンタクルーズというサーフィンのメッカは霧の発生が少ないです。残念ながらモントレーは霧が深いので、青空の下でインスタ映えしそうなカリフォルニア写真を撮りたい場合は午後がねらい目です。
ナパに次いで有名なカリフォルニアワインのメッカ、パソロブレス
カリフォルニアワインの代表格と言えばナパバレー。ナパはサンフランシスコから車で1時間のドライブで行けるというアクセスの良さもあり、年間を通じて観光客でにぎわっております。
誰もが知ってるナパではなくて、穴場のワインカントリーを訪れてみたい方、ぜひセントラルコーストにあるパソロブレスをお勧めします。サンフランシスコからは車で3時間くらいかかるので少なくとも1泊するとゆっくりとテイスティングを楽しむことができると思います。
パソロブレスはサイドウエイズ(Sideways)という2004年に公開された映画の舞台になったことから一気に有名になりました。冴えない中年男子が友達の結婚式に参加することになったことから始まるストーリー。ワイン好きの方、またはドラマが好きな方にはおすすめの映画です。パソロブレスに行かれる前に見るとさらにワイナリー巡りが楽しめます。
私たちはロスへ向かう寄り道だったので、ゆっくりどころか1軒しかよれない駆け足訪問になってしまいました。
↓冬なのでブドウの木は枯れちゃってましたが、春になれば一斉に緑のラインが見れるはず。おすすめはブドウの収穫が始まる前の夏から収穫祭りのある秋です。
パソロブレスの隠れ家ワイナリーを見つけた
初めてのパソロブレスでのワイナリーは、3匹のワンコを連れての旅なのでグーグルサーチで見つけた”ドックフレンドリー”なワイナリー。見つけたところは、パソロブレスの中心地からちょっと離れたところにある、スティルウオーターズ ヴィンヤード(Stillwaters Vineyard)。スティルウオーターズはヴィンヤード(Vineyard)=ブドウの生産者であり、ワイナリー(Winery)=ワインを製造するところ、でもあるので、自分の作ったブドウでワインを生産しています。ブドウの生産者なのでブドウを他のワイナリーにも販売しています。ワイナリーであってもブドウの生産をしているとは限らないし、生産していたとしても100%自家のブドウとは限らないのです。これがワイナリーとヴィンヤードの違いです。
テイスティングルームの目の前には芝生が広がっていてます。なんとこのテイスティングルーム、ワンコが一緒に入れるのです。どうぞワンちゃんたち連れてきてくださいとワイナリーの人に言われたのですが、うちのもこもこ3匹が大騒ぎで走り回ったらワインの味見どころではなくなってしまう。なのでワンコたちはキャンピングカーの中でお留守番となりました。
クリスマス時期だったので、ツリーやソックスでアットホームな雰囲気満点。暖炉の前ソファーに座ってワインテイスティングです。
ワインテイスティングは白ワインから始まってロゼ、そして赤ワインの軽いものからヘビーなもので終了します。オフシーズンだったためか、メニューにないワインを何種類か追加してテイスティングさせてもらいました。
ばちばち燃える暖炉の前でのテイスティングはまるで誰かのおうちにお邪魔しているよう。いろいろなワイナリーを訪問しましたが、リビングルームのようなセッティングでのテイスティングは初めてでした。これもまたオフシーズンと比較的無名なワイナリーだからこその醍醐味です。
おつまみにフランスパンとオリーブオイルまで出してくれました。↓ オリーブオイルは自家で生産しているオリーブから作っているとのことでオリーブオイルも販売しています。
ワインを開けてワイナリーでピクニック
ワインをテイスティングしたあとは、買ってきたワインを開けてワイナリーでピクニック、というのがよくあるワインテイスティングのお楽しみ。
ワイナリーによってはチーズやオリーブ、お惣菜やサンドウィッチなどを販売しているところもあります。スティルウオーターズはワインのほかにオリーブオイル、クラッカーなどの簡単なおつまみを販売しています。しっかり食べたければチーズやバケットなどを持参するといいかもしれません。
ブドウ畑を眺めながら、ワインを開けてピクニックができます。↓
朝、霧の深いモントレーを出発して約2時間。コーストから離れた内陸に位置するパソロブレスではぴかっとブルースカイになりました。反対に夏になるといわゆる盆地の気候で気温がかなり上がります。これはナパバレーなどカリフォルニアにあるどこのワインカントリーでも同じ現象です。盆地の気候はワインにぴったりなブドウの生産に適しているのです。(実はワイン用のブドウは美味しくないです)個人的にはワイナリー巡りは気温がものすごく上昇する前の春から初夏にかけてを狙い、7月から8月の夏まっさかりは避けています。
まとめ
寄り道ではなくてじっくりワイナリー巡りをしたかったパソロブレス。春先を目指してまた来ようと思います。
私たちにとってナパはさっと簡単に行ける便利なワインカントリーなのですが、週末などは冬でもかなり混みあいます。有名なワイナリーのテイスティングルームは人、人、人、でごった返してしまうのが残念なところ。観光バスが何台も乗り付けてしまうので混むのも当然ですよね。会員制のVIPワインクラブに参加すると専用のテイスティングルームがあり、少なくとも混雑は避けられます。が、会費を払ってまでワインテイスティングをするほどのワイン通ではない私たちにとってはオプションになりません。
そんなわけでオフシーズンではありましたが、静かなパソロブレス。今年の春のコーストを巡るロードトリップに組み入れてみようと思います。