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アメリカでヨット暮らしをするためのお役立ちガイド

    
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アメリカでヨット暮らしをするためのお役立ちガイド

日本ではむずかしそうなヨット暮らしですが、アメリカでヨットに住むのは住居選択のひとつです。また、ニュージーランドやオーストラリア、ヨーロッパなどでもヨットに住むのは特別なことではなさそう。

ヨットに住んでみたいなあと考えている方、日本ではできないかもしれないけれど、海外ではもはや夢ではありません。

 

ここではアメリカでヨット生活をするために活用してほしい情報をまとめています。

 

ヨットの買い方

ヨット暮らしの最初の一歩は、ヨットを買うこと!

ヨットを買うのって敷居が高いように思えますが、アメリカではヨットは車やオートバイと同じ感覚で買えます。

新品のヨットならディーラーから、中古のヨットならディーラーかまたは個人売買のどちらかで買うのが一般的。

ディラーを通じで買う場合、アメリカ国内で最も人気のあるヨット販売サイトはヨットワールド(Yachtworld)。

うちのヨットもこのサイトで見つけて買いました。ヨットワールドはアメリカを中心とした世界中のディーラーが売りたいヨットを掲載しています。個人売買のヨットはこのサイトでは扱っていません。

ここのサイトで扱っているヨットは新品から中古までさまざまですが、基本的には100万円以上の価格帯です。ディラーは中間手数料をとるので安いヨットは扱わないのです。手数料はたいてい10%。例えば500万のヨットであれば50万は手数料で取られてしまいます。

100万円以下の中古ヨットを探しているのなら個人売買がおススメです。

個人売買でヨットを探す

個人売買では様々なヨットが売りに出ています。安いものだと30万円くらいから買えちゃいます。

ポピュラーな個人売買サイトではクレイグズリスト(criagslist)がとても便利。

クレイグズリストは基本的に何でもそろっている個人売買のサイトです。住んでいる地域ごとでサイトを管理していますので、まず自分がヨットを係留させたいエリアを選んでどんなヨットが売りに出ているのか見ていきましょう。

  1. 一番右側のカラム(neaby Cl)でサンフランシスコベイエリア(SF Bayarea)を選択します。(他の地域でもオッケーですよ)
  2. 次にサイトの真ん中あたりにある”for sale”のセクションから ”boats ”を選択します。
  3. 人気のあるサイトなのでディーラーも売りたい商品の広告を出しています。個人売買のみのヨットを見たい場合は次のページで ”by owner”を選びます。
  4. 次のページでは、個人売買のボートに登録されているアイテムがでてきます。ボート関連のパーツも入ってきますので、左側のカラムで検索基準を選びましょう。
  5. 例えば価格帯(PRICE)を3000ドルから10000ドル、船のサイズ(LENGTH)を25フィートから50フィート、タイプ(Proplsion Type)をセイル (Sail=セイルボート、ヨットのことです)をしてサーチしなおすと、いくつか候補があがってきます。
  6. 候補のひとつが28フィートのアイランダー(Islander )。とても人気のある船です。1967年建造で、売主の希望価格は5200ドル(日本円で約57万円)。
  7. ボートの内容を見て興味があればオーナーに連絡して見学するという段取りになります。

価格はあくまでも希望価格。これなら買ってもいい、と思ったら価格交渉を必ずすることをおススメします。価格交渉の盛んなアメリカでは、売主は価格交渉を前提で高めの値段を設定していることが多いのです。例えば売主が70万で売りたいときは値切られることを予測して90万円の希望価格で売りに出し、価格交渉ののち最終的に70万円にもっていく、といった流れです。

 

暮らすのに適したヨットのサイズとは?

ヨットのサイズ選びって難しいですよね。大きくなればなるほど価格も高くなる。これまでヨットで暮らしてきた経験から、最適サイズは

1人暮らしならば30フィートくらい、2人だと35フィート以上が理想的かと思われます。

 

うちの場合、最初のヨットは29フィートのエリクソンでした。

↓1970年代建造のエリクソン。友達から70万くらいで購入しました

エリクソン29船内

 

船内の様子。右手のドアの奥にはトイレと洗面台があります。

エリクソン29船内

 

キッチンには電気のコンロが2つ。お湯もでました。

エリクソン29船内

このときはヨットに暮らすというよりは、たまに船内泊をする程度だったので29フィートで十分でした。大人2人と犬1匹。うちのダンナは190センチ90キロの巨体。私も163センチ60キロと日本人としては大きなサイズ。ビッグサイズの私たちでしたがたまに暮らすためのヨットとして29フィートは十分機能していました。

38フィートのヨットに買い換えることになったのは、本格的にヨット暮らしを始めようと思ったことと、ワンコが1匹から3匹に増えたこと。ワンコたちは35キロの中型犬と12キロの小型犬が2匹です。

 

住居として考えると大きいほうが良いと考えがちですが、大きい船は係留費が高くなってしまうのがネックです。またボートのメンテナンスも大きい分だけ手間がかかります。

私たちの家族構成(ビッグサイズの大人と犬3匹)でいったら42フィートくらいが理想的かなと考えています。

ヨットの長さだけでなく横幅と天井の高さも考慮する

ボートのサイズは船の先から後ろまでの長さが基準になっていますが、住居用にするならぜひ横幅の大きなボートを選んでください。横幅が長ければもちろん室内も大きくなります。レース用の船は細長くて横幅が狭いタイプが多いので住居用にはおススメできません。

38フィートの船といっても、横幅の大きな38フィートと横幅が狭い38フィートとでは船内の広さが大きく違ってきます。

船内の天井の高さもボートによってまちまちです。30フィートくらいまでのボートだと天井が低くなり長身の人には住みにくい環境になります。175センチくらいまでの身長であればどのボートでも船内で頭をぶつけることがないでしょうけれど、それ以上の長身の方は室内の天井の高さをチェックすることもお忘れなく。

 

理想的な室内のレイアウト

住むことを想定したヨットの理想的な船内レイアウトはなんといってもセンターコックピット(Center Cockpit)と呼ばれるデザイン。

たいていのヨットはコックピットが船尾に配置されていますが、センターコックピットはその名の通りコックピットが船の真ん中に設置されています。船尾のコックピットがない分、船尾に大きなスペースが確保できるのです。ここにマスターベットルームとバスルームをつけるのがよくあるデザイン。船尾のスペースはクイーンサイズのベットが置けるくらいの広さです。

 

↓典型的なセンターコックピットの船内レイアウト
centercockpit

 

このレイアウトは、センターコックピットで最も人気のあるハンター40というヨットのものです。この船の見学をしたことがあるのですが、うちの船より60センチ長いだけなのに船内がとても広く感じられました。

残念ながらセンターコックピットの中古艇は人気が高いので価格が落ちないんです。しかもこの手の船内レイアウトは最近のトレンドなので1980年代に建造された中古艇でセンターコックピットのものは希少価値。私たちが見学した1995年建造のハンター40はなんと1000万円以上しました。もちろんうちの予算をものすごくオーバー。

2000年以降に建造された船だとセンターコックピットでなくても船尾を幅広くしたデザインのものが増えています。が、やはり高い。このクラスになる中古艇で1500万円くらいから。

中古艇が急降下で価格オチするのは大体建造30年くらいのものからです。今なら1980年代に作られたものだと買った後の価格が落ちる速度が遅くなります。

ヨットに住むことができるマリーナを探す

マリーナによってはヨットで生活できるところでできないところがあるので、ヨットに住むことを許可しているマリーナを探さなければなりません。

うちの船が停泊しているマリーナではヨットに住むことができますが、許可制になっています。

ヨットに住みたいことをマリーナに申請すると審査を通してヨットに住む許可がおります。(live abroadといいます)。許可と同時にLive aborad のための月々170ドルを係留料とともに支払わなければなりません。

よってうちが毎月マリーナに支払う費用の内訳は、

  • 居住権(live abroad fee)170ドル
  • 係留費(slip fee)470ドル

の計640ドルとなります。

ヨットに住む許可を持っていない場合だと、週に3日までは船に泊まってもよいことになっています。

住民票はどうするのか?

アメリカには日本のように住民票や戸籍謄本のようなものはありません。通常は免許証が身分証明書になりますので、免許証に明記するための住所が必要になります。

マリーナで生活する場合は近隣の郵便局で郵便局の局留めサービスの申請をします。この局留めの番号(P.O.Boxという)が免許証に掲載される住所になります。

たとえばバークレー市の郵便局で申請した局留めの番号がP.O.Box 1234 の場合は

P.O.Box 1234, Berkeley, CA 12345

となります。

 

まとめ

アメリカでは手軽にできるヨット生活。

ヨットが好きでヨットに住んでみたいなあと思われているのなら、アメリカで実践してみてはいかがでしょうか。

マリーナ仲間で台湾からアメリカへヨットを買いに来て、そのままヨットに乗って台湾まで帰っていったカップルがいました。彼らの理由は台湾でヨットを買うのはとても高くつくのでアメリカに来ちゃった、ということでした。

アメリカに来るまでは外洋での航海の経験がまったくなかった2人でしたが、アメリカでヨットを買った後に勉強して訓練して無事に台湾まで帰ることができました。今は台湾からいろいろなところへ航海にでてクルージングを楽しんでいるもよう。

アメリカでヨットを買ってしばらく住んでみたあとに、ヨットに乗って日本へ帰るというのもひとつのアイデアですね。

 

Comment

  1. 竹内 より:

    初めまして。ヨットに興味を持ってまもない初心者です。いつかリタイアしてから自分でヨットを購入して日本や海外で船上生活を楽しみたいので、色々と調べているうちにこちらのサイトを見つけました。西海岸でのヨット生活、素敵ですね!またお役立ちサイト、とても参考になりました。

    いつかアメリカでヨットを買って日本やヨーロッパへ回航して、などと夢が広がります。こちらのサイトに勇気付けてもらいました。ありがとうございました。

    最後にひとつ質問なのですが、台湾のカップルさんの行動力もすごいと思ったのですが、その方達は外洋経験がないだけで台湾でのヨット経験はどの程度だったのでしょうか?

    お時間のあるときで結構ですので、メールで教えてくださいますでしょうか。

    それではよろしくお願いします。

    • mikahosh より:

      竹内さん
      サイトへのご訪問とコメントありがとうございます。ヨットで世界中を回航される夢、素敵ですね。こちらでは大学卒業したばかりの20代から子育てしながらの30代から50代の家族、そしてリタイアした人たちなどがヨットで世界中を旅しています。旅の途中でいろいろな人たちに出会うことも楽しみの一つと、キッズと一緒に航海にでた友達夫婦から聞いています。
      ご質問の件ですが、台湾でのヨット歴はかなり浅かったと思います。だんなさんのほうはヨットに乗ることはあっても、シングルハンドで出るほどの技術はなく、奥さんはほぼヨット歴がゼロだったと思います。台湾に帰るまで約2年間、サンフランシスコ湾でヨットの練習をされていました。同時に購入したのヨットのアップグレードも自分たちで進めていました。結果的には不法滞在になってしまったので、いろいろ面倒なことも起きたのですが、最終的には無事台湾まで帰り着くことができました。年齢は30代前半だったと思います。(こちらでは年齢を聞くことがあまりないので、本当はいくつだったのかよくわからないのです)
      またご質問があればいつでもご連絡ください。ヨットで世界周遊の夢、応援してます。

      • 竹内 より:

        早速返信いただきまして、また私の夢の様な計画にまで応援下さりありがとうございます。

        そうですね、旅先しかも異国の地でいろんな出会いがあれば、それは旅をもっと楽しくしてくれる事でしょうね。いつか実現させたいと思っています。

        台湾の方は、ヨット経験が殆どないのに買ってから2年間も練習されたのですか?!しかも不法滞在してまで。素晴らしい行動力というのか何というのか、やる事がスケール大きすぎです。

        ともかく初心者でもそれくらいの年数の経験を積んでからなら大陸間航海を出来るということがわかり、参考になりました。それにいつかサンフランシスコ湾にも行ってみたくなりました。

        ではこれからもヨットライフを楽しんでください!

  2. より:

    初めまして、

    同様に海外でヨットの購入を今から計画している者です。

    簡単に自己紹介します。
    学生の時分にオーストラリア留学時に地元ヨットクラブのキャプテンと知り合い、ヨットセーリングに触れる機会がありましたが、日本帰国後は全く縁がありませんでしたが、子供たちがそろそろ独立していくので、引退後はしばらくヨットセーリングで数年世界中を旅してきたいと夢見ます。

    まずは、米国の中古ヨットを購入しある程度自分で整備して旅をスタートと考え、この記事にたどり着きました。もし面倒でなければ、いくつか教えて頂ければ幸いです。

    米国国籍や永住者以外の者でも、米国船籍のヨットを購入することが出来ますか?
    購入できた場合は、その船は、米国船籍のままですか?
    また、米国船籍のままでいられる場合は、米国船籍をどう維持しますか?
    登録期限や更新などはどうしたらいいのでしょうか。

    • mikahosh より:

      サイトへのご訪問ありがとうございます。しばらくブログに手をつけることができずご回答できなかったことをお詫びします。
      ご質問についてですが、外国籍の方でもヨットを購入することができます。船は米国籍のままになりますが、所有者の方がビザで滞在の場合は滞在期限がありますので、アメリカに滞在していない間はアメリカ国内のマリーナに係留しておくか、または国外へ航海する必要があります。登録は毎年更新になりますので、アメリカ国内に局留めのメールサービスを作って更新案内を受け取るかまたは管理会社に委託する方法があります。登録更新のおしらせはデジタルではなく一般のメールになりますので、メールサービスが必要になります。支払いはオンラインでカード払いが可能ですが、支払いをすると更新したことを証明するシールがメールサービスへ郵送されます。シールは船に貼り付けてください。カリフォルニアならばCFから始まったナンバーになります。
      参考になりましたでしょうか。今後はできるだけブログをアクティブにしていきますので、もしもご質問があればお知らせください。

  3. Satoshi より:

    初めまして。
    ヨットでの暮らしを調べている時にこちらのページに辿り着きました。
    現在、ベイエリアに在住の日本人です。
    近々イーストベイに引っ越す予定でアパートを探していたときに、
    ヨットで暮らす選択肢があることを知りました。
    当方は子供は居ますが、普段は母親と暮らしているために基本的には独り身です。
    海が好きでずっと波乗りやカヤックなどしてきましたが、ヨットに関する知識は全くありません。
    こちらのヨットに関する記事は全て読ませていただきましたが、
    購入や登録、維持に関しても分からないことばかりです。
    そのような自分がヨット暮らしを始めることは可能でしょうか?
    また普段リモートでお仕事をされているようですが、
    回線の接続に関してもう少し詳細な情報をいただくことは可能でしょうか?
    当方は仕事で使うことはあまり無いのですが、週に2日ほど子供をケアする際にオンラインで学校のクラスに接続する必要があり、それなりの速度が必要になります。
    経験が無く予算もそれほど無い中で思い立ったことですので、何をどう調べれば良いのかも分からない状況です。
    素人が馬鹿なことを言っているように自分でも感じますが、せっかくのアメリカ生活ですので新しいことに挑戦したいと思っています。
    お時間のある時にご返信をいただければと思います。

    • mikahosh より:

      はじめまして!コメントありがとうございます。

      船生活はいろいろな意味で素晴らしい経験で、ぜひおすすめしたいのですが一つ大きな問題があります。それは現在ベイエリアにおいてボートでの居住権(Liveabord)を取ることが難しくなったことです。私たちが取った13年前とは大きく状況が変わり、うちのマリーナ(バークレー)では現在居住権は空きを待つ人がかなりいると聞いています。イーストベイではリッチモンドとエマリービルのマリーナで居住できるはずで、もしかしたらバークレーよりも取りやすいかもしれません。この10年で家賃が大きくあがり、船での生活希望者が増えているのが背景にあるかと思います。

      ヨットのご経験がないのであればパワーボートを購入して居住することもできますが、現在35歳以下の方はライセンスを取る必要があります(California Boating License) これは最近導入されたシステムで35歳以上であれば数年後にライセンスを取らされることになります。ヨットは動かせるようになるまで時間がかかりますが、パワーボートは比較的早く動かせるようになるかと思います。うちのマリーナの場合は毎年ハーバーマスターのオフィスまで船を移動してインスペクションを受けなければならないので船を動かすことができるのは必須のスキルです。友達のパワーボート居住者は個人レッスンを受けてパワーボートの操作ができるようになりました。

      なお、インターネットの回線についてですが、うちのマリーナの場合はバースのゲートまでしかインターネットの回線が来ていなかったので、水中用のケーブルを購入して自分たちでゲートからスリップまで繋げました。ATTuversを使っています。うちのスリップはゲートからかなり遠いので夫と二人でケーブルを引っ張ってくるのに半日ほどかかったかと思います。マリーナにはWi-Fiサービスがありますが、使用者が多すぎてほぼつながらない状況です。

      以上ご質問にお答えできましたでしょうか?またご質問があれば気軽にご相談ください。

      • SATOSHI より:

        返信をいただき、ありがとうございます。
        Liveaboardの許可が降りにくくなっているとのことで、昨今のベイエリアのレント事情を考えると理解出来ますね。
        その他、色々と情報をいただきありがとうございます。
        とりあえずCBLのサインナップを済ませて、勉強を始めました。
        色々と状況を考えるとすぐに購入して住むというのは難しそうなので、出来ることから始めようと思います。
        インターネットの回線についても、詳しく教えていただき勉強になりました。
        今後もこちらでヨット関係の情報をチェックしたいと思います。
        また新しいお話、楽しみにしています。

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