アメリカ南西部大陸横断:旅の準備とアドバイス編
2014年の12月から2015年の1月の間に23日間かけてアメリカ南西部を横断しました。
私たちが住んでいるカリフォルニア州のレイクタホから出発して、約6000マイル(9600キロ)を23日間かけてのドライブ旅行。この旅を通じて大陸横断のいろいろなことを学びました。
ここではわたしたちの経験をもとにアメリカ横断・縦断・ループのドライブ旅行計画に役立つ情報をのせています。
これからアメリカの大陸横断やドライブ旅行、キャンピングカーでの旅行を計画されている方への参考になればと思います。
アメリカ南西部大陸横断計画
私たちの旅計画の発端は、冬休みにテキサスにあるメキシコ湾に面したビーチリゾートでウインドサーフィンを楽しもうという計画でした。旅に出たのは冬場の12月中旬。南にあるビーチリゾートなら冬でもウインドができる!
ということで出発時に決まっていたことは、
- 目的地はテキサスのサウスパドリーアイランド。アメリカではよく知られているビーチリゾートです。
- サウスパドリーへ行く途中でおもしろそうなところがあれば寄り道しよう
- サウスパドリーから先は行けるとこまで行ってみる
- 日程は約3週間
- ベットが付いているだけのなんちゃってキャンピングカーなので、基本はRVパークかキャンプ場泊でホテルやモーテルには泊まらない
ところがサウスパドリーアイランドがかなりいまいちビーチリゾートで、結局2泊3日の滞在で終わってしまったんです。
たっぷり10日くらい滞在する予定だったので、これでかなり計画が狂いました。
そのかわりにアメリカ南西部の大陸横断という思いがけない旅になったのでした。
うちのルート
ブルーが実際のルートでオレンジは計画してみたけど天候悪化のため果たせなかったルートです。
旅をしながら予定が変わっていくという典型的ないきあたりばったり行程でした。
- 2014年12月14日に自宅のあるカリフォルニア州タホシティからラスベガス、アリゾナ州のセドナを経由して、当初の目的地テキサス州サウスパドリーアイランドへ。
- そこから東へ向ってルイジアナ州のニューオーリンズ、北上してテネシー州のメンフィスへ。
- 西へ戻るのに、オクラホマシティを経由してニューメキシコ州のサンタフェからグランドキャニオンというルートにしたかったのですが、記録的な寒波の到来で断念。サンタフェは吹雪。チェーンなしでは通行できない状況ででした。
- 予定変更でアーカンソーを経てダラスに向かいます。が、なんとダラスから西も道路が凍りついてチェーンなしでは通れません。うちに帰れない!
- しかたがないので寒波を避けるために南下してオースティンへ。ここで寒波が立ち去るまで4日間もとどまることになりました。
- ようやく道路が平常通行に戻ったので、オースティンから行きと同じルートでアリゾナを経由してカリフォルニアのパームスプリングへ。休暇も残すところあと1日。トラックドライバーのように1日中運転しました。
- 2015年1月5日にパームスプリングから自宅のあるレイクタホに戻りました。
全行程で23日間の旅となりました。
訪れた主要なところ
大陸横断で人気のある都市は少しだけ。旅の後半で寒波に襲われたのでアーカンソー州など見所の少ないところにも寄る羽目になりました。
主要都市は:
- ネバダ州 ラスベガス
- アリゾナ州 セドナ
- テキサス州、サンアントニオ
- テキサス州、サウスパドリーアイランド
- ルイジアナ州、ニューオーリンズ
- テネシー州、メンフィス
- アーカンソー州、リトルロック
- アーカンソー州、ホットスプリングス
- テキサス州、ダラス
- テキサス州、オースティン
- カリフォルニア州、パームスプリングス
この中でもう一度訪れたいところはセドナとニューオーリンズ。素晴らしい街でした。
サンアントニオは思いがけず素敵なとろこでしたが、もう一度行きたいと思うほどではありません。
ラスベガスとオースティンは訪れる場所としてはおススメですが、仕事で何度も訪れているのでこの旅では観光はしませんでした。
べガスは見所盛りだくさんです。西海岸の旅には組み込む価値おおあり。
オースティンは近くまで行ったら立ち寄ってほしいところだけどわざわざ行く価値はないかも。テキサスを旅に組み込んでいるのなら寄って欲しいです。ライブの街なので音楽ジャンキーならすごく楽しめます。
古い街並みが残る、ニューオーリンズのフレンチクオーター↓
ニューオーリンズはジャズで有名なところでもあります。クオリティの高いライブがあちこちでゴロゴロ↓
赤い岩がきそびえるニューエイジのメッカ、アリゾナ州セドナ。パワースポット満載です。↓
川沿いに続く遊歩道を歩くのが思いがけず楽しかったテキサス州サンアントニオ↓
この旅ではアメリカ大陸横断で人気のある都市ばかりではなかったけれど、広いアメリカ2度と訪れることはないだろうなあというマイナーな街に行けたのはよかったです。
アメリカの全部の州とメジャーな都市を全て訪れてみたいと思うきっかけになりました。
南西部大陸横断中に泊まったところはRVパーク
宿泊先はほとんどRVパークとなりました。
ちなみにRVパークとはキャンピングカー専用のキャンプ場です。キャンピングカーに必要な様々な設備がついています。
RVパークについては”これがアメリカンスタイルのRVパークだ!”でご紹介していますので、あわせてごらんください。
RVパークを使うメリット
RVパークは場所によってはホテルに負けない値段です。安いホテルに泊まった方が経済的だったかもしれませんが、うちはワンコ3匹と一緒の旅なのでホテルに泊まるというオプションはありませんでした。
RVパークやホテルは夏のハイシーズンや人気の観光地でなければ予約なしでいきあたりばったりでもだいじょうぶです。
旅の間のスケジュールはこんな感じで決まっていきます。
- 前日に翌日のスケジュールをおおまかに決める。
- 移動するか連泊するか。移動するならどこをめざすか。
- 連泊する場合はRVパークにもう1泊することを伝える。
- 移動する場合は移動先の街と走行距離を計算して、移動先によさそうなRVパークがあるかどうかざっくり調べる。
- 目的地についたらまずRVパークに行って場所を確保。
ハイウエイにあるレストエリアと呼ばれる休憩所で車中泊も何泊かしました。これはもちろんタダです。
シャワーができないのが難だけど長距離を一気に移動したいときは便利です。
テキサス州 サウスパドリーアイランドのRVパーク↓
1日の走行距離とアドバイス
私たちの場合はアメリカ生活が長く、しかも2つの拠点を行ったりきたりする生活(片道約300キロ)をほぼ10年続けているので、とんでもなく長い距離を1日で走りきることができちゃいます。
この旅で1日の走行距離が一番長かったのが、テキサスのヴァンホーンからカリフォルニアのパームスプリングスまでの1300キロ。休憩しながら約13時間走り続けました。長距離トラックの運転手さんになった気分でしたよ。
体験的に1日の走行距離としておススメしたいのは600キロ前後。もちろん道路状況や制限速度にもよりますが600キロなら5-6時間で走れます。
制限速度はほぼどこでも100キロ以上なので、100キロを1時間で走るとして計算するとざっくりとした所要時間のめやすをつけることができます。またグーグル様も制限速度と渋滞で所要時間を出してくれます。かなり正確です。
朝9時に出発すれば夕方3時ころまでに目的地に到着して明るいうちにその日の宿泊先をみつけることができます。おまけに街の雰囲気も明るいうちにつかむことができるのでこの先の旅計画に役立ちます。(=ここ大事。延泊しようかどうかが早く決まります)
アメリカ大陸は見所なくって同じ景色がずっと続くところがたくさんあります。そんなところは1日の走行距離を長めに設定して次の街でしばらく滞在して休みをとる、という旅の日程もいいと思います。毎日の移動し続けるとかなり疲れます。
夜の運転は基本的におススメしません。なぜかというと
- アメリカのハイウエイは真っ暗で電灯がありません。
- おまけに動物がハイウエイを横切ろうとするのも夜。動物を轢くなんて個人的には一生トラウマとして残っちゃいます。
- 動物が飛び出してくるのを避けて事故になるというのもよくあるパターン。
- あたりまえなんだけど景色がまったく見えない!
アメリカ横断の醍醐味は景色を見ながら楽しくドライブすること。
明るいうちに景色を楽しみながら安全に走りましょう。
旅をする季節について
仕事をされている方の場合、なかなか季節を選ぶことができないかもしれません。
アドバイスとしては:
- アメリカ広いので場所によっては年間の平均気温と降水確率がかなり違います。なので、旅の計画中に気候をしっかり確認しましょう。これすごく重要です。
- 冬の12月から2月までは南西部の一部をのぞいて大陸横断は難しいです。大陸の真ん中あたりは道路が凍りつき、北東部のニューヨークなどでも雪のことが多くなります。
- 6月中旬から8月下旬まではどこも観光ハイシーズンです。なのでドライブには良い季節だけど観光地はどこも混み合います。有名な観光地ならば宿泊先の予約は必須。
- 5月から6月上旬、9月から10月が個人的にはおススメのシーズン。観光シーズンもはずれ、暑すぎず寒すぎないので個人的にはおススメしたいシーズンです。
↓真冬の旅となった私たちは、記録的な寒波に襲われたテキサス州ダラス近郊で凍りついた街をドライブする羽目になりました。↓
キャンピングカーか乗用車か?
キャンピングカーでのアメリカ大陸横断ってすごく魅力的ですよね!
アメリカ開拓時代は馬車に乗って生活しながら開拓していったわけで、キャンピングカーはその現代版。
やどかりみたいに家ごと移動するキャンピングカーでの旅、一度は体験する価値おおありの旅のスタイルです。
ただし、デメリットもあるので、ここで明記しておきたいと思います。
都市部でのフットワークが悪い
たとえばラスベガスなどの都市を訪れたときにキャンピングカーで市内に行くのは大変です。市内への交通機関はタクシーかUber. RVパークは市内から離れたところにあるのがほとんどなので交通費がめちゃくちゃかかります。
ガス代がかさむ
ベットやキッチン、トイレ、水タンクなどを満載して走るキャンピングカー。車体が重い分ガソリン代がものすごくかかります。長距離を走る場合、これはものすごい出費。基本的にキャンピングカーのガス代はそこそこの燃費の乗用車の倍はかかると思って予算を立てることをおススメします。
RVパークは安くない
車内で宿泊できるキャンピングカーですが、アメリカでは路上での車中泊はできません。なので気に入ったところに駐車して1泊しよう、なんてことができないのです。メキシコとかならいけちゃうんですけどね。
なので宿泊するにはRVパークかキャンプ場のRV専用サイトになります。これが結構高い。安いホテルと同じくらいかかるところが多いんです。車中泊ができるからといって宿代が思い切り節約できるわけではないです。
電気や水などのメインテナンスが大変
キャンピングカーにはいろいろな装備がついています。とくにキッチンやトイレなどでつかう水周りで使う水の供給と使った水の排水などメンテナンスが必要です。
また電気も定期的に充電しなければなりません。
これらのメインテナンスはRVパークで行いますが、慣れていないとなかなか敷居が高い作業です。
私はこれらのメインテナンスについては限りなく知識がないので100%だんなに頼りきり。よって一人でキャンピングカーを使うことはできないです。
キャンピングカーをレンタルするときに、使い方のマニュアルなどがていねいについてくると思います。が、キャンピングカーを使ったことのない方は、メインテナンスをしなければいけないということも考慮されたほうがよいと思います。
RVパークでキャンピングカーに電気と水の供給と下水の排水をしているキャンピングカー↓
うちの場合はなんちゃってキャンピングカー
アメリカ南西部横断旅行に使った車両を紹介したいと思います。
現在我が家はベンツのスプリンターという商用バンで自作キャンピングカーのプロジェクトが続行中なんですけれど、この南西部横断の旅に出たときは、とりあえずベットとカーテンと冷蔵庫だけつけたなんちゃってキャンピングカーとして使っていたんです。
当初の旅の目的はテキサスのビーチリゾートでウインドサーフィンを楽しむこと。ところがウインドサーフィンで道具がかさばるんです。
普段はバンの中にぎっちりウインドサーフィンの道具も詰め込んでキャンプをしていたのですが、3週間の長旅には室内が狭すぎてつらい。
狭い室内を居心地よくするためにはかさばるウインドの道具を外にださなければなりません。
結果、バンの後ろにトレーラーをくっつけて、ウインドの道具と簡易用トイレ、キャンプ用品などを運ぶことになりました。折りたたみ式の自転車も持って行きました。
これから南西部の旅へ出発するところ。後ろのトレーラーにぎっちり荷物がつまっています↓
バンの中↓シルバーのボックスは低電力で動く冷蔵庫。バンの屋根に乗っかっているソーラーパネルから電力を供給しています。冷蔵庫があるとないとでは旅の質が大きく変わります。
ベットがついているだけというキャンピングカーもどきなので、日常のタスクはテント式のキャンプと同じで屋外で行われます。
キャンピングカー専用のRVパークで外で調理して外で食事の後のお皿を洗っているのはいるのはうちだけでした。
↓テキサスのRVパークで荷物の整理。プラスチックのボックスに調理用の道具やお皿などがつまってます。ブルーのタンクには水が入っていてお皿を洗うのに使います。
まとめ
広いアメリカ、訪れたいところはたくさんあります。
大陸横断する達成感も素晴らしいけれど、エリアを絞って周遊する、または南北に縦断、というのも選択肢に入れられると旅の可能性が広がります。
西も東も海に近いエリアにはみどころがたくさんあります。
東西を突破しようとすると、大陸のど真ん中の何もないところをただひたすら走る羽目になります。見ることろ少ないです。
見所がおおいのは、
- 西海岸に近いグランドサークルと呼ばれる国立公園が集中しているところ。(グランドキャニオンとセドナもこの中にあります)
- 西海岸を南から北へ縦走かループ(サンディエゴからシアトルまで。ヨセミテのあるシエラネバダを通るとループで周れます)
- 東海岸を南から北へ縦走かループ(ニューヨーク、ボストン、ワシントンDCなどみどころ山盛りですが、街中を走るので渋滞が大変かも)
アメリカ大陸横断で、素晴らしい思い出を作ってくださいね!