自作キャンピングカーに挑戦:フォードのバンからメルセデスベンツのスプリンターまで
ワンコを連れての旅が多い我が家ではキャンピングカーは必需品。数年前から、古いフォードのバンを改造してキャンピングカー代わりにしていたのですが、2年前にキャンピングカーに改造する予定でメルセデスベンツからだしている業務用のバン、スプリンターを購入。スプリンターバンはここ数年新しいキャンピングカーのスタイルとして人気急上昇中。なのですが、キャンピングカーとして販売しているわけではないので、買った後に業務用バンからキャンピングカーへ改造しなければならないのです。
業者に頼むのが一番てっとりばやいのですが、業者に頼むととんでもなくお金がかかるようでとてもうちの予算じゃあ無理。スプリンターがもう一台買えちゃうくらいの値段なんですよう。しかも大工が職業のダンナは自分でやってみたいと意気揚々。というわけで、時間はかかるだろうけど業者に頼まず自分たちで改造するというDIYにしようということになりました。
といってもスプリンターを購入したのは夏。せっかくのキャンピングシーズンを逃すのももったいなかったので、時間をセーブするために業者に頼んで簡易ベットと窓をつけて、ソーラーパネルで作動する冷蔵庫を乗っけて“とりあえずキャンピングカー”として使っちゃうことにしました。”とりあえず”の状態で2シーズン乗り切ってしまったのですが、去年の秋やっとこ重い腰をあげて本格的なキャンピングカーへの改造計画を始めることになったのでした。
あれから半年以上たってますが、プロジェクトは今だに進行中で完了してないです。今年の夏までにはなんとか使えるようになってほしい。
さて、今回は私たちがどんなふうに計画を始めたのかをご紹介します。
どんな旅をしたいのか、基本のコンセプトを決める
キャンピングカーでの旅行といってもいろいろなタイプがあります。そこでまず私たちが最初にしたことは、キャンピングカーでどんな旅をしたいのか再確認したことでした。
もともと私がカーキャンプを始めたのはウインドサーフィンのためでした。風の吹いているところに行ってキャンプしてウインドを楽しむ。テントで寝るより車で寝たほうが楽なので後ろの座席を倒して寝袋にくるまって何泊もしました。
というわけで、初代のなんちゃってキャンピングカーはスバルのオートバックワゴンでした。
そしてダンナとワンコたちと一緒にウインドサーフィンの旅するようになって、ワンコたちのためにでっかいバンがあるといいなと思って買ったのがコレ↓
フォードのエコラインというモデルでホテルの送迎などに使われることが多い商用車。運転席と助手席の後ろには座席が2列くっついてます。
前のオーナーが長距離を運転するために改造していたので、キャンピングカーっぽく使うためのある程度の装備はついてました。
例えば、シートはくるっと360度回転するので対面式にできるなど。ウインドウも虫除けの網戸がついてスライド式であけることができます。
うちが新たに装備したのは、屋根にソーラーパネルをおいて車内に電力を供給するシステムを作ったこと。ソーラーからは冷蔵庫の電源とラップトップなどをチャージできるようにしました。また、真ん中の座席をとっぱらってスペースも作りました。
最後尾の座席を倒すと平らになるのでそのうえにマットレスをしいてベットとして使いました。右手のシルバーの箱は冷蔵庫。↓
キャンプ場でのセッティングはこんな感じ。↓
これはメキシコのキャンプ場でウインドサーフィンができるビーチが目の前にあります。日よけのためにすだれみたいのを作って外でもくつろげるように工夫しました。
基本、バンの中はベットルームの役割で、日よけの下はリビング・ダイニング・キッチンというスタイル。
本格的なアメリカのキャンピングカーというよりは、これまたなんちゃってキャンピングカーでした。
スプリンターをめでたくキャンピングカーにしたら、ウインドキャンプも続けたいけど、アメリカ大陸横断もしてみたいしカナダを通過してアラスカにもいってみたいな~と夢はどんどん膨らんでいきます。
じっくり話しあった結果、ウインドキャンプもするけれど長期の大陸横断も視野にいれるということで、キャンピングカーの基本条件を決めていきました。
- 3匹のワンコたちが車内で気持ちよくすごせる環境にすること。
- 車内で仕事ができる場所、外付けのPCモニターを使える場所を確保
- 車内で簡単な料理をして食事ができるようにしたい
- キャンプ場などに停車している間の電源は基本的にソーラーパネルから供給する(電気を供給するガソリンベースのジェネレーターは使わない)
- ウインドサーフィンとスタンドアップパドルボートの道具を楽に運べるしくみを作る
こんな感じでしょうか。内部を設計していく過程でこれらの条件をはずさないように注意しました。プロジェクトのが進むにつれて、最初に決めていたプランや考えが変わることがあります。迷ったら基本条件に戻って考え直すこと。コレ、計画から半年以上たった今でも繰り返してます。
どんな設備が必要なのか考えてみる
旅のコンセプトが決まったら、次はどんな設備を備えるのか考えていきます。いろいろ装備したいのはやまやまですが、うちのは小さいサイズのスプリンターなので、車内の広さにかなり制約があります。
通常のキャンピングカーには生活に最低限必要な下記の装備がそろっています。
- ベット
- キッチン(料理用のコンロと流し、電子レンジやオーブンなど)
- ダイニングテーブルと椅子
- キャビネットまたはクローゼット
- 冷蔵庫
- トイレ
- シャワー
いろいろ検討してみたけれど、うちのスプリンターにこれらの全てを載せるのは難しい。なんといっても狭すぎ。
絶対に必要なものから決めていったときに、一番低いプライオリティとして最後に残ったのがトイレとシャワーでした。
キャンピングカーなのにトイレとシャワーがないの?と思われるかもしれないけれど、トイレとシャワーってけっこう微妙な施設なのです。
まずトイレなんだけど、タンクつきのトイレってにおいの処理が大変なんです。これはヨット暮らしで実証済み。浄化槽がついているわけではないから、定期的にタンクにたまったモノを廃棄しなくちゃいけないし、廃棄してもパイプなどからにおいが残る。うちのヨットではうんPはよほどのことがないかぎりヨットのトイレでしないようにしてます。
キャンピングカーの場合、トイレに行くのってどんなタイミングなんでしょう。車が走っている間にトイレを使うことはまずないし、休憩とワンコたちのためにトイレ休憩は必ず取るわけで、休憩場のトイレを使えばよし。
キャンプ場やRVパークなどに泊まる場合は必ずトイレとシャワーの設備はついているので、わざわざキャンピングカーの中で用を済ます必要もないし、シャワーを浴びる必要もない。仮にトイレとシャワーがあっても、使う可能性ってすごく低いのです。
それからシャワーなんだけど、シャワーを使うためにはシャワーのための場所だけではなく、よけいな設備が必要になるのです。シャワーを使うための水とシャワーしたあとの排水のためのタンクを大きくしなくちゃならない。そしてシャワーのためのお湯を作る設備も必要。使う頻度を考えたら、けっこう余計な設備。
というわけで、トイレとシャワーなしで他の全ての設備はつけるということで初期のプランを決めていきました。
目に見えないところでやらなくちゃならないことがたくさんある
つけたい設備が決まったものの、それを単純に購入して設置するだけではすまないのが大変なところ。
たとえばキッチンの流しをつけるためには、流し台だけではなくて使うための水を供給するタンクと汚水をためるタンクの2つが必要になります。またタンクから蛇口へ水を供給するパイプと水をタンクからくみ上げるパンプもいるし、流し台を設置するためのキャビネットも必要。その他にも、キッチンコンロの燃料はどうするのか。プロパンガスにするのならどこに設置するのか?車内のライトはどこにつけてライトのコントロールスイッチはどこにつけるのか?バッテリーのサイズは?鉄板のままの車体にどうやって断熱材を入れてきれいなインテリアに加工するのか?車内の電気配線はどうする?などなど。
普通に家で暮らしていたら、蛇口をひねればお水がでてくるのはあたりまえ。でもそのためにパイプやらパンプやら目に見えないところでのいろいろなものが作動しているなんて考えたこともなかったのです。ヨット生活をするようになってそういった仕組みも学ぶようになったけれど、キャンピングカーをゼロから設計していこうとなると、それはもう複雑!
設置する予定の設備に必要な細かい部品などをリストにしたら大変な数になりました。ありがたいことにほとんどのものはネットで購入できます。キャンピングカーDIYのためのお買い物サイトがかなり豊富にあるのです。DIYのディスカッショングループや、手取り足取りスプリンターバンのキャンピングカー改造の手ほどきビデオもYouTubeで見ることができる。大変だけど探せば助けてくれるツールはいくらでも見つけることができます。
うちのダンナの場合、大工としての家づくりのための技術がかなり役にたっているはず。それでも家を建てるのとは勝手が違うらしく、意気揚々とプロジェクトにとりかかったわりにはかなり苦戦している模様。私だけだったら絶対に無理でした。
まとめ
フォードのバンから始まったわたしたちのキャンピングカー改造計画。フォードのバンでつちかったなんちゃってキャンピングカーの経験がスプリンター改造計画でとても役立っています。たくさんのキャンプをしてきて思うのは、キャンプって経験値が大切だなと思うこと。いろんなところでキャンプをして失敗して学んでそしてベストな道が見つかっていく。こんなものが必要だったのか、こんなものがあったら便利だななんてやってみないとわかりませんよね。
これからキャンピングカーを買ってみたい、または改造してみたいという方。キャンピングカーで旅をしたことがないのならいちどレンタルでキャンピングカーの旅をされることをおススメします。やってみてそうだったのかーという発見があるはずで、それが購入や改造の際に役立つことは間違いなし!
車内のレイアウトに関しては、ダンボールでキッチンやキャビネットのはりぼてをつくってスプリンターの中でシュミレーション。CADとかあれば3Dでシュミレーションできたんだろうけれど、ダンボールのシュミレーションって実際のサイズなのですごくわかりやすかった。これは3Dでは超えることのできない体験だなーとすごくローテクだったんだけど感動しました。
現在もプロジェクトはオンタイムで進行中。
自作キャンピングカーについては、”ベンツスプリンターの自作キャンピングカーはこうなる!予定”でまとめていますので、ご参照ください。
なにもないスプリンターの内部。ゆっくりゆっくりと作業進行中でございます(汗)。↓
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